2020/10/30
コロナ時代の転職で成功するには?転職市場の変化や必須スキルを紹介
コロナ時代を迎え、業績が拡大している産業と苦境に陥っている産業に二極化したり、求められる人材が変化したりなど、転職市場も大きな影響を受けています。Withコロナ・Afterコロナ時代において転職で収入アップやキャリアアップを目指すなら、現状を知り、正しく備えることが大切です。本記事では、新型コロナによる転職市場の変化や、積極採用している企業と注目されるスキル、転職で成功するポイントを紹介します。
新型コロナの影響による転職市場の変化
2020年は、新型コロナウイルスによる影響で有効求人倍率は全体的に低下しています。2019年の1年間では有効求人倍率の平均値は1.60倍でしたが、3月に1.43倍に落ち込み、4月には1.23倍、6月には1.05倍をつけるなど、急減しました。このように、有効求人倍率が大きく下がったことで、転職市場も全体としては冷え込んだのは事実です。
一方、専門人材への需要は早くも回復傾向にあります。大手転職サイトのレポート(2020年8月調査)によると、全体の求人倍率が低迷する中、以下の業種については改善しているという結果でした。
- IT・通信(前月比0.22%増)
- メディカル(前月比0.08%増)
- サービス(前月比0.06%増)
この背景としては、感染症リスクを避けるためにテレワークやオンラインサービスの利用が伸びており、IT・通信分野はニーズが高まっていることが考えられます。また、医療サービスの提供やワクチン・治療薬開発は喫緊の課題であり、医療人材が求められていることも理由の1つです。
新型コロナをめぐる情勢は日々変化していますが、現状の転職市場は、全体が落ち込む中でITや医療など特定分野のニーズが高まっており、業種間で明らかな差が生じ始めています。
コロナ禍でも求人を行っている企業とは?
コロナ時代において転職する際は、どのような企業が求人を行なっているのかを知っておくと有利です。ここでは3つのパターンを紹介します。
成長が見込める企業
成長分野の企業はコロナ時代であっても途切れることなく人材を募集しています。
特に、現在最も注目されているのがIT・通信分野です。コロナ禍において、生活様式は大きく転換しました。これまでの消費スタイルは、実店舗や現地でのコト消費と、ECサイトなどでのオンライン消費の組み合わせが主流でしたが、新型コロナによって外出を控えざるを得なくなり、オンライン消費関連企業が注目されています。
また、働き方についても同様で、テレワークやオンライン商談などが積極的に導入されており、それらを支えるIT・通信サービス系の企業は急速に業績を拡大させている状況です。
さらに、新型コロナの感染が止まっていない中で、予防・治療、ワクチン開発といった医療ニーズが増えており、医療・製薬産業も成長が期待されています。
このように、コロナ時代でも成長が見込まれる企業では、人材への引き合いが強い状況です。
抜本改革が必要な企業
ビジネスモデルを抜本的に改革する必要がある企業も人材を募集しています。
コロナ禍でIT分野などが事業を拡大させている一方で、客離れに直面している企業も数多く存在する状況です。例えば、小売業界は、以前からECの普及で実店舗から客離れが進んでいたところに新型コロナが拡大し、実店舗を中心に営業していた企業は、食品スーパーなど一部を除き大打撃を受けました。このような企業は、実店舗中心のスタイルを改め、オンラインへの対応を迫られています。
他に、業務のデジタル化が遅れている企業も同様です。紙媒体やはんこ決裁、対面の文化が根強く残っている組織は、コロナ時代において不都合が生じてしまいます。そこで、テレワークやオンライン面談といったツールを導入するなど、業務のデジタル化が必須です。
ただし、どちらの場合でもビジネスモデルや組織を抜本改革するにはマネジメントスキルやITの知識が必要で、そのような人材が必要とされています。
専門人材を必要とする企業
事業展開において専門知識や専門技術を持った人材が不可欠な企業も募集を継続しています。
特に引き合いが強いのは、専門資格を必要とする仕事です。例えば、建設分野では建築士や施工管理といった有資格者がいなければ、一部の例外を除いて設計や施工ができません。一方で、資格試験の難易度は高く合格者数が大きく増えにくいため、有資格者は貴重です。
また、製造・エネルギー分野ではエネルギー管理士が慢性的に人手不足で、医療分野では新型コロナによる医療現場の逼迫で医師、看護師、薬剤師などへの需要がますます高まっています。
他にも、資格がなくてもAI(人工知能)職やデータサイエンティストといった先端IT人材や、製造系の熟練技術者については、事業に欠かせないという企業も多く、優秀な人材への関心は途切れません。
コロナ時代の転職において求められるスキルとは?
Withコロナ、Afterコロナ時代に転職して収入アップやキャリアアップを目指すためには、どのようなスキルが重宝されるのか知っておくことが大切です。ここでは4つを紹介します。
デジタルスキル
コロナ時代においては、業種や職種にかかわらずデジタルスキルが求められます。
現在は、コロナ禍において、テレワークやオンライン打ち合わせが主流になりつつある状況です。グループウエアや進捗管理システム、テレビ会議システムといったデジタルツールが普及しており、これらをユーザーとして使いこなす必要があります。
管理者や経営層は、こういった業務のデジタル化を推進する立場です。環境整備やセキュリティ対策の推進役にはシステムに関する知識が要求されます。
成果スキル
成果を出す能力もこれまで以上に必要です。
オフィスや現場において集団で仕事をする場合、個人の働きよりも組織全体としての成果が注目されることが多く、現場での協調性や意思疎通の質が重要とされます。もちろん個人の貢献度も大切ですが、管理者が何人もいる部下を定性的に評価するのは難しいという課題がありました。
しかしコロナ禍でリモート環境での働き方が増えると、コミュニケーションや仕事の記録がツールやシステム上に残るので、誰がどの程度業績に貢献しているのかが定性的・定量的に可視化されます。つまり、成果を出すメンバーはより評価されやすくなるのです。
変化に対応するスキル
臨機応変に対応する力も必要です。
Withコロナ時代では仕事の方法やサービスの提供方法が大きく変わり、ビジネスモデルや業務プロセスといった根本的な部分も変化を迫られています。しかも、これは新型コロナが収まれば元に戻るというものではなく、手間のかかる紙業務をデジタル化するように、Afterコロナ時代にまで続いていくと見込まれる取り組みもあるのです。
つまり、旧来のやり方に固執せず、新しい動きに素早く対応する姿勢が求められます。
専門スキル
専門的なスキルの重要性はコロナ時代であっても変わりません。
専門職や技術職など、特別なスキルを必要とする仕事はたくさんあります。例えばエンジニアでもコンサルタントでも、スキルを獲得するには一定期間経験を積む必要があり、誰でもすぐに一人前になれるわけではありません。
新型コロナによって影響を受ける業界もありますが、高度なスキルを持った人材が慢性的に不足している分野もあり、専門人材は貴重です。
コロナ時代の転職で高収入・キャリアアップを目指すために知っておくべきこと
コロナ時代でも、転職で高収入やキャリアアップを目指すことは可能です。チャンスを生かすためには、Withコロナ・Afterコロナ時代に起こりうる動向を知っておくことが大切です。
ハイクラス人材には常にニーズがある
時代の動向にかかわらず、ハイクラス人材への需要は底堅く、常に求人が存在します。
ITや建設・製造、医療のように専門性の高い技術職を求める業界はもちろん、業界にかかわらず人事、法務、財務といった企業活動を支えるプロフェッショナルは貴重な存在です。
また、企業経営やマネジメントを担う人材はこれまでも根強いニーズがありましたが、コロナ時代においては新事業展開や組織改革といった重大な役割を担うリーダーがますます求められています。
変化への対応力・実行力がある人材は重宝される
変化に対応しながら、臨機応変に必要な施策を実行できる人材も貴重です。
これまで専門職や管理職として実績を積み重ねてきた人物でも、コロナ禍によってビジネスモデルや働き方が大きく変わる中、従来と同様に高いパフォーマンスを発揮することは簡単ではありません。例えば、現場での綿密なコミュニケーションによって組織管理を行ってきた優秀なマネージャーが、テレワーク時代においてもこれまでの方法で通用するかは未知数です。
コロナ時代の転職市場では、実績があるのに加えて、新しい変化も取り入れながら成果を出し続けられ
業種間の業績・待遇差は加速する可能性も
業種間の業績の差は拡大し、それが待遇差をさらに大きくする可能性もあります。
コロナ時代においては、実際に人の移動が伴ったり人が密集したりすることはなるべく避けなければなりません。そのため、実店舗やレジャー・エンターテインメント、外食、宿泊、移動・輸送といった業界は厳しい状況が続くことが見込まれます。
一方、ECサイトやクラウド型ビジネスツールなど、オンラインサービス系の企業は業績を飛躍的に伸ばしており、高待遇で優秀な人材を惹きつけています。
転職で高収入を目指すのであれば、今後さらなる成長が見込まれる分野に注目するのも有効です。
コロナ時代に転職に成功するための3つのポイント
コロナ時代において転職で失敗を避けるためには、冷静な自己分析と、転職先の見極めが欠かせません。ここでは転職で成功する3つのポイントを紹介します。
スキル・経験を洗い出す
まずは自分のスキルや経験を洗い出しましょう。
コロナ時代において、さまざまな企業が大きな転換を迫られています。そこで、これまで役立っていたスキルを生かす機会が減ったり、あるいは、それほど特別視していなかった自分の経験の中から、コロナ時代だからこそ生かせる強みを発見できたりすることがあるのです。
コロナ時代ではビジネスモデルの転換に伴って、強みや弱みに対する捉え方が変わっています。自分のチャンスを正しく知るためにも、改めて自己分析しておくことは大切です。
成長性のある業界・企業を見極める
業界や企業の見極めも重要です。
コロナ時代を迎えて、業績を伸ばしている業種と、苦しんでいる業種がはっきりと分かれています。今後Afterコロナの時代に移行したとしても、このような傾向が持続する可能性はあり、その場合は産業の二極化がさらに進むことになるでしょう。
転職で苦境の業界を選んだ場合、事業立て直し(ターンアラウンド)やリストラクチャリングを含む組織改革といった経験を積める可能性がありますが、高い待遇は期待できないかもしれません。一方、成長産業を選ぶと、新事業展開や拠点拡大といった経験などを積みながら、高い待遇も期待できるのです。
転職エージェントを活用する
転職エージェントを活用することも有効です。
新型コロナによる影響で、転職市場も大きな変化を迎えています。伸びている産業とそうでない産業がはっきりし、業種によって企業が求める人材像は変化しました。また、待遇やポストも多様化しています。このような中、転職で成功するには、自分のスキル・経験を分析した上で、強みを生かせる分野を選ぶことが不可欠です。
転職エージェントに相談すれば、カウンセリングを通じて客観的に自分の強みや希望を洗い出すことができ、転職エージェントが抱える優良な求人情報の中から、活躍できる可能性が高い案件の提案を受けられます。変化が激しい時だからこそ、転職のプロからサポートを受けると成功につながりやすいのです。
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