2020/11/06

転職で女性が高い年収を得るには?おすすめ業界・職業や会社選びの方法

社会的に女性活躍のスローガンが掲げられていますが、現状は役員・管理職に占める女性の比率は低く、家庭との両立などいくつかの課題があります。女性が転職で高収入やキャリアアップを目指す際は、こういった事情を理解した上で、しっかり備えることが大切です。本記事では女性の年収事情を解説した上で、高年収につながるスキルや、会社選びのポイントを紹介します。

女性の平均年収は?

女性が高収入を目指すためには、まずは女性労働者の年収の事情を知り、年収の高い女性労働者にはどのような特徴があるのかを理解しておくことが大切です。ここでは女性の平均年収や、年代別、業種・職種別の年収傾向を紹介します。

女性労働者全体の年収

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2020年版)によると、女性の一般労働者の平均年収は388万円でした。これは規模10人以上の会社において、決まって支給する現金給与額と、賞与などを年収に換算した金額です。学歴や年齢に関係なく女性労働者を広く対象として、なおかつ全産業を合計したもので、全体の平均年齢は41.8歳でした。

雇用形態について内訳をみると、正規雇用の女性の平均年収は427万円、非正規雇用などそれ以外の女性は258万円となっています。

なお、男女を合計した平均年収は501万円で、男性のみの平均年収は561万円となっており、依然として男性よりも女性の方が低いという傾向がみられました。

年代別にみた女性の年収

厚生労働省の同調査で、女性の年収を年代別にみると以下のようになっていました。

全ての年代を比較しても、最も低い20代前半(306.4万円)と、最も高い50代前半(430.4万円)の差が130万円ほどしかありません。男性の場合、最も低い20代前半(337.7万円)から最も高い50代前半(708.8万円)まで2倍以上に上昇しているのとは対照的です。

通常、仕事で経験を積むほど活躍の場が増え役職も上がっていくため、それに沿って収入も上がっていくものですが、上記データによると女性の年収の増加ペースは非常に緩やかになっています。

この背景として挙げられるのが出産や育児で仕事を離れたり、働き方を制限せざるを得なかったりするという女性特有の事情です。30代を中心に就業率が下がる現象は「M字カーブ」と呼ばれ、以前から女性の働き方の課題として指摘されてきました。年代別収入をみても、こういった課題が収入に影響していることが示唆されています。

業種・職種別にみた女性の年収

厚生労働省の同調査によると、産業別の女性の平均年収は以下のようになっていました。

「教育、学習支援業」や、「学術研究、専門・技術サービス業」、「情報通信業」などが高くなっていますが、これらはそれぞれ専門的なスキルが必要とされる仕事であり、それが理由で高収入につながっている可能性があります。

その他、一般的に高収入とされる「金融業、保険業」や「不動産業、物品賃貸業」なども上位でした。一方、従事者数が多い「医療、福祉」(213.3万人)や「製造業」(94.4万人)、「卸売業、小売業」(75.1万人)は平均近くか、やや低いという結果です。

なお、大手転職サイトが公表している「女性の平均年収ランキング上位50職種」(2020年版)によると、コンサルタント職や金融専門職、法務・企画系といった専門スキルを必要とする職種が上位でした。

このように、産業や職種によって、女性の年収には大きな差があることがわかります。

女性の年収が高い代表的な職種は?

女性の平均年収は男性より少ないものの、比較的年収が高い職種もあります。女性の年収が高い職種を知り、自分に適性がありそうな仕事を探してみてはいかがでしょうか。ここでは、女性の年収が高い代表的な職種と、それぞれの特徴を簡単に紹介します。

女性の年収が高い職種として、まず挙げられるのがコンサルタントです。コンサルタントは実力至上主義で採用される場合が多く、性別にかかわらず高収入が狙えます。企業の相談役となり、経営などに関する悩みを解決するのがコンサルタントの主な仕事です。高いコミュニケーション能力や、わかりやすいアドバイスをするための論理的思考力などが求められるでしょう。

次に、医師も年収が高いことで知られている職種です。医療関係の仕事には安定した需要があり、医師の国家資格さえ取得すれば勤務先に困ることはないでしょう。結婚や出産などで職場を離れることがあっても、資格があるので復帰しやすいという点も魅力です。医師は病院などに雇われていても高収入ですが、独立開業すればさらなる年収アップが狙えます。ただし、そもそも資格を取るのが難しく、長時間労働のようなデメリットもあるので注意が必要です。

弁護士も高収入の職種の代表格といえます。司法試験に合格する必要があり、法律上の相談にのったり、裁判で弁護人を務めたりするのが主な仕事です。ひと口に弁護士といってもさまざまな働き方がありますが、女性に人気があるのが企業内弁護士です。企業内弁護士は企業の法務担当として働き、ワークライフバランスが保ちやすいという特徴があります。

大学教授も女性が高い年収を狙える職種です。当然のことながら高い学力が必要であり、助教授などとして長い下積みを経験することもあるので簡単にはなれません。しかし、高収入なうえに自分の好きなことが研究できるので、目指す価値はある仕事だといえるでしょう。

航空機操縦士や公認会計士も性別にかかわらず高収入が狙えます。どちらも国家資格が必要ですが、医師と同じように職場復帰しやすいので女性にも人気です。航空機操縦士には強い責任感やストレス耐性が求められます。公認会計士や税理士は自宅開業する人も増えてきているので、自分のペースで働きたい女性にはおすすめの職種です。

金融関係の職業従事者も年収が高い傾向にあります。投資銀行などに勤めてM&Aや株式発行のサポートといった業務を行いますが、金融に関する専門的な知識を身に付ける必要があります。

年収を上げるためのキャリアの築き方

前掲した女性の年収に関する調査結果によると、年齢を重ねることによる年収の上昇ペースは緩やかですが、業種・職種間では明らかに差があることがわかりました。そこで、年収アップを狙うなら、待遇の良い業種・職種での活躍も意識しながら、有意義なキャリアを歩むことが欠かせません。

マネジメントスキルを身につける

年収を高めるには、マネジメントスキルを身につけることが大切です。一般的に、役職が上がれば上がるほど待遇も向上していきますが、これは女性の場合でも変わりません。「賃金構造基本統計調査」に役職別の賃金分布を示したデータがありますが、それによると月間の所定内給与額が70万円未満では役職者よりも非役職者の割合が多く、70万円以上になると役職者の割合が多くなっています(女性のみ、企業規模100人以上)。このことから、年収を高めるためには管理職を目指すのが有利です。管理職を目指すには、キャリアの中でプ

専門スキルを磨く

専門的なスキルを高めることも大切です。先述の業種・職種別の女性年収をみると、上位には専門的な知識・スキルを必要とする仕事が数多くみられました。例えば、「情報通信業」にはシステムエンジニア職がありますが、システム開発にはプログラミング言語やデータベース、インフラ構築などITに関する広範かつ専門的な知識が必要です。「金融業、保険業」も同様で、金融商品開発やリスク計算といった専門スキルが求められます。なお、女性の高収入の仕事には、MR職や投資銀行業務といった特別なスキルや資格が必要なものばかりで

実績を重ねる

性別に関係なく、高収入を狙う上で欠かせないのが仕事で実績を出すことです。マネジメントスキルや専門スキルを自分なりに習得したとしても、その分野で一定の成功実績がなければ、評価を得ることは難しいといえます。管理職に登用されるためにも、専門職として活躍するためにも、社内で認められてキャリアアップするためには何らかの実績が必要です。一方、実績を重ねていればプロフェッショナルとしての能力が高いことの証明にもなり、責任ある仕事を任されやすくなります。転職の際にもアピール材料になり、より高収入の仕事を目

年収アップを目指す女性が会社選びで気を付けたいポイント

女性が仕事で活躍するためには、出産育児といったイベントや、家庭との両立など、意識しなければならない課題がいくつかあります。希望通りに活躍できるかどうかは職場の風土や制度に依るところも大きいため、転職の際は労働環境の見極めが大切です。ここでは女性が転職して年収アップを目指す際に、会社選びで気をつけると良いポイントを紹介します。

スキル・成果が正当に評価されるか

高収入を目指すためには、スキルや成果が適正に評価されることは大前提になります。いくら実績を積み重ねてもそれが待遇に反映されにくい会社では、性別にかかわらず高収入を目指すことは困難です。また、高収入を目指せる賃金制度だとしても、評価方法に上司の裁量が入り込みやすい会社では、当たった上司によって振り幅が大きくなるというリスクがあります。転職先選びで、能力や実績が適切に評価されるかどうかを確かめるには、人事評価制度の明確さや、評価プロセスの透明性をチェックすることが大切です。その上で、能力や成果

女性ならではの能力が生かせるか

女性が活躍するためには、一般的に女性が優れているとされる能力を生かすことも手段の1つです。例えば、色彩感覚や嗅覚、味覚といった感覚に優れている女性は多く、消費財メーカーなどにおいて数多くの女性が商品開発職やマーケティング職として活躍しています。また、女性がメインターゲットである化粧品やファッションといった商品を扱う会社では、消費者と同じ女性の意見が必要とされ、女性の感覚が役立つのです。他にも、協調性や共感力の高さは管理職になる際に強みになります。

性別に関係なく活躍できる環境か

性別に関係なく活躍できる職場であることも重要です。女性が活躍しやすい会社では、制度や職場環境が充実しています。例えば、時短制度や出産・育児関連の休暇制度、育休からの復帰に向けた「ならし制度」など、家庭との両立を支援する狙いで独自の取り組みを実施している会社は少なくありません。また、制度を構築して終わりではなく、社員が最大限活用しやすいように管理職の意識や職場風土を改革している会社もあります。また、昇格人事についても、性別や家庭環境によって不利益を受けないように仕組みを整えていることも大切で

女性の役職登用などの実績があるか

会社の取り組みや制度だけでなく、実績を確認することも欠かせません。優秀な社員を確保しようと、女性が活躍しやすい環境を整備している会社はありますが、対外発信に力を入れているものの、実際には取り組みが途上であったり、せっかく構築した制度が利用されていなかったりするケースがあるのも事実です。そこで、転職前には女性の管理職登用や役員登用、家庭両立支援制度の利用率といった実績をみれば、その会社の実態を見極めやすくなります。

女性が転職で高収入を得るための3つのポイント

女性が転職でより高い収入や良いポジションを目指すためには、ここまで触れてきたような女性特有の転職事情を踏まえた上で、以下のポイントを意識することが大切です。

スキル・経験を洗い出す

まずはこれまでのキャリアでの経験を広く振り返り、スキルや経験を洗い出すことが大切です。

高収入の仕事は、役職のつくポジションや専門職であることが多く、転職でそのような仕事に就くためには自分のスキルを正確に把握しておく必要があります。転職時に自分の強みをわかりやすく伝えるためにも、客観的に自己分析をしておきましょう。

業種・職種にとらわれない

転職で高収入の仕事に就くには、特定の分野にとらわれずに幅広く検討することも効果的です。

先述の通り、業種や職種によって収入には明らかな差があります。特定の業界は、本人がどれほど努力しても収入が増えづらい構造である一方、別の業種では同じような役職であっても収入が高いというケースもあるのが現実です。現在在籍しているフィールドがもともと高収入を見込みにくい業界なのであれば、別の業界への転職を検討するのも有効な選択肢といえます。

また、優秀な女性人材は引き合いが強いものです。管理職や役員の女性比率が低い現状においてそういった経験がある女性は貴重で、経験業種を問わず会社から関心を持たれやすくなっています。

転職エージェントを活用する

転職エージェントを活用することも有効です。

女性が転職で高収入を目指す際は、その会社が本当に活躍しやすい現場なのかどうかを見極めることが欠かせません。経験やスキルが生かせるかといった基本的な条件に加えて、家庭と両立しやすい制度が整っているか、女性が人事評価で不利益を受けないか、管理職や役員などへの登用実績があるのかといった環境面も精査する必要があります。しかし、このような会社探しは時間や労力がかかり、そもそも役職者向けの優良案件は非公開となっていることも普通です。

転職エージェントに相談すれば、会社探しを任せることができ、エージェントが抱える求人案件の中から、自分の希望や条件にマッチする求人の提案が受けられます。経営幹部との面談調整や条件交渉なども依頼できるので、満足度の高い結果になりやすいのです。

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