2022/02/25
転職活動の流れを徹底解説!準備が必要な書類・手続きと注意点
転職支援サービスを利用したり、スカウトやヘッドハンティングなどで声を掛けられたりして他社へ転職・移籍する場合、現在の会社とトラブルになって転職計画が順調にいかないケースも考えられます。現職と揉めることなく、予定通りのスケジュールで転職先に入社できるようにするためには、転職活動や転職に必要な手続きを正確に知っておくことが大切です。本記事では転職活動の流れや転職に必要な手続き・書類を紹介するとともに、転職手続きにおける5つの注意点についてくわしく解説します。
転職活動の流れ・スケジュール
転職活動と転職手続きは主に6つのステップに分かれます。ここでは、転職活動や転職手続きの流れと各段階の所要期間、各段階で行うべき内容について解説します。
転職活動の基本的な流れ・手続き
転職活動・転職手続きの流れは以下の6ステップです。
- 事前準備・応募・選考
- 退職の意思表示
- 退職届の提出
- 入社手続きの確認
- 挨拶回り・身辺整理
- 退職・転職への準備
事前準備・応募・選考
転職支援サービスへの登録や転職先の情報収集などの事前準備を行った後に応募し、選考を待ちます。所要期間は事前準備で約10~14日間、応募に約2週間、面接と選考結果待ちに約4~5週間、内定が出てから入社までの期間は約1~3ヶ月です。
退職の意思表示
転職先が決定したら、直属の上司に退職する旨と退職希望時期を伝えます。慰留される可能性もあるため、強い意志を持って臨みましょう。法的には退職意思を伝えてから2週間経過すれば退職が可能です。
退職届の提出
会社規定に従って退職届を作成・提出します。会社によっては退職の1~2ヶ月前に提出する決まりがあるため、事前に確認しておきましょう。
入社手続きの確認
採用決定後、入社にあたって必要な書類や手続きを確認して用意します。
転職活動にかかる期間の目安
一般的に、転職活動には23ヶ月程度がかかります。実際の所要期間は、選考活動が順調に進むか、現職で多忙な業務をこなしつつ転職先を探したり応募・面接に時間を割いたりできるかなどによって変動するため、ケースバイケースです。転職活動が長期化するほど多くの労力を費やすことになるため、効率的に進めることを心がけるとよいでしょう。
入社時期別の転職活動のスケジュール
転職活動のスケジュールや注意事項・コツは転職先への入社時期によって変わります。ただし、転職活動には3ヶ月前後かかることを想定し、入社希望時期から逆算して転職活動を開始するタイミングを決める点はいずれの時期も共通です。
以下で時期ごとのスケジュールやコツを紹介するので、希望する転職時期を想定したうえで検討してください。
年初め(1月~3月)
1月入社を希望する場合、在職中であれば9月頃から始めると余裕を持って臨めるでしょう。既に退職済で転職活動に専念できる場合でも11月末までには転職活動を開始する必要があります。
同様に、2月入社を希望する場合は10月~1月、3月入社を希望する場合は11月~2月に転職活動を始めましょう。
この時期に転職活動を行ううえでの注意点は、12月は多忙な会社が多く面接日が限定されることです。また、12月中は現職の会社も多忙になるため、後任者への引き継ぎに割く時間が取れるかどうかも考えておきましょう。
春~夏(4月~9月)
入社希望時期の3ヶ月前から前月にかけて転職活動を始める必要があります。この期間に転職活動を行う場合、9月が中間決算の会社が多い点を意識しましょう。決算月までに入社すれば半期の初月を迎える前から業務知識を身につけられる可能性があります。
秋~冬(10月~12月)
他の時期と同様に、転職を希望する月の3ヶ月前から前月までに転職活動を開始しましょう。10月に人事異動を実施する会社が多いため、後任者を決定しやすい点がこの時期に転職活動を行うメリットです。
ただし、夏季休暇やシルバーウィークがあるため、引き継ぎに割ける日数が限られる点に注意しましょう。また、ボーナス支給後は転職活動を始める人が増えるため、ライバルが増える傾向があります。
転職時に必要な準備
転職先から内定が出たら、転職に必要な準備を始めましょう。主な転職準備は以下の3つです。
- 1.報告・引き継ぎ
- 2.返却物
- 3.受領物
1.報告・引き継ぎ
まずは直属上司への退職報告、退職届の提出、業務引き継ぎの打ち合わせや業務引き継ぎ計画の策定と実行、退職日の決定などを行います。
2.返却物
次に、健康保険証や身分証明書(社章・社員証など)、名刺、会社から貸与された備品(社用携帯電話や社用パソコンなど)を返却します。最終出社日または退職日までに手渡しで返却するのが一般的ですが、会社の規定によっては郵送での返却も可能です。
3.受領物
そして、転職に必要な書類を会社から受領します。受領物には離職票、雇用保険被保険者証、年金手帳、源泉徴収票などがあります。人事部に出向いて直接受け取るのか、あるいは後日郵送されてくるのかなど、受領方法についても確認しておきましょう。
転職時に必要になる手続き・書類
ここでは、転職時に必要になる手続きや転職先に提出しなければならない書類について、「税金関係」「社会保険関係」「その他」に分けて解説します。
税金関係
源泉徴収票は転職先で年末調整をしてもらうために提出します。ただし、入社時期が年末に近い場合は転職先での年末調整が間に合わないため、自分で確定申告をしなければなりません。源泉徴収票は現職の会社から受け取ったものを転職先に提出します。
扶養控除等申告書は転職先で各種社会保険や税金の計算をしてもらうために提出する書類です。扶養家族の有無にかかわらず提出する必要があり、転職先から渡される用紙に署名捺印して提出します。なお、扶養控除等申告書は社会保険関係の手続きでも必要です。
社会保険関係
雇用保険被保険者証と年金手帳を現職の会社から受け取って転職先に提出し、それぞれに変更手続きをしてもらう必要があります。
また、扶養家族がいる場合は健康保険についても事業主から異動届を出してもらわなければなりません。健康保険扶養者異動届の用紙が転職先から渡されるため、記入して提出します。
その他
上記以外の主な手続き・書類は以下の通りです。会社によって手続きの方法や書式が異なる場合があるため、詳細を転職先へ確認してください。
- 内定通知書・労働条件通知書
- 離職票・退職証明書
- 新しい給与振込先の登録
- 身元保証書
- 入社誓約書および入社承諾書
- 健康診断書
内定通知書・労働条件通知書
内定が出た時点で転職先から渡される書類です。月収・年収・賞与・福利厚生など労働条件が面接などで提示されたものと一致するかどうか、転職の目的を達成する内容になっているかを確認しましょう。
離職票・退職証明書
現職の会社から受け取り、転職先へ提出する書類です。
新しい給与振込先の登録
転職先からの給与が振り込まれる銀行口座を登録します。会社によっては給与振込先銀行や支店を指定されるため、新規の口座開設が必要になる場合もあります。
身元保証書
身元保証書には親や兄弟など親族に署名捺印をしてもらって転職先に提出しなければなりません。遠方に住んでいる場合などは特に、署名捺印を頼む旨を早めに伝えておく方がよいでしょう。
入社誓約書および入社承諾書
内定が出た時点で渡される場合もあります。内容を確認したうえで署名捺印して提出します。
転職の手続きをスムーズに行うための5つの注意点
転職の手続きを進める際には現職の会社との間にさまざまなトラブルが発生する可能性があり、予定通りに退職・入社できなくなる場合もあります。ここでは転職をスムーズに行うための主な注意点を5つ解説します。
1.期間に余裕を持って転職の準備を始める
転職活動に必要な期間は平均で3ヶ月から6ヶ月とされています。予想以上に退職交渉や転職活動に日数を要する場合もあるため、できるだけ早めに転職活動を開始することが重要です。
また、退職届を提出すれば即日退職できるわけではありません。民法でも、雇用期間を定めない雇用契約の解除は退職の申し出から2週間経過後ならいつでも退職できると定めています。つまり、裏を返せば、すぐに退職したくても、現職が退職を承認しない場合、実際に退職するには2週間かかる可能性があるということです。社内規定によっては退職の1~2ヶ月前に申し出なければならないケースもあるため、転職準備は期間に余裕を持って早めに行いましょう。
2.安易に競業避止義務や顧客引抜禁止の契約をしない
退職交渉をする際、競業避止義務や顧客引抜禁止の契約を会社が迫ってくるケースがあります。しかし、これらの契約は必ずしも正当性のある内容とは限らないため、安易に契約してはなりません。
法的には、「転職を制限される業務範囲や期間・地域が正当か」「競業避止契約に釣り合う代償措置が提供されていたか」「そもそも競業避止契約の対象とされる役職に就いていたか」などにより、ケースバイケースで有効性が判断されます。
現職の会社から競業避止義務や顧客引抜禁止契約を求められたら、その場で契約せず、担当の転職エージェントや弁護士事務所などに相談するのが賢明です。
3.交渉の場で判断できない内容は堂々と保留にする
上記以外でも、退職交渉において会社から要求された内容に従うべきか迷うこともあるでしょう。その場で判断できない内容については「少し考えさせてください」などと答えて保留にし、どのように対応すればよいか、担当の転職エージェントなどに相談するようにしてください。
4.転職先の情報は一切開示しない
現職の会社から、「手続きをするために転職先の社名を教えて欲しい」と言われるケースがあります。例えば、「転職先に年金手帳などの必要書類を送るために社名が必要」「健康保険を切り替えるために社名が必要」と言われることがあるのです。しかし、社名や部署名を含めて転職先の情報は開示しない方が無難でしょう。
転職に必要な手続きは現職の会社に転職先の情報がなくても問題なくできます。むしろ、転職先が競合や取引先の場合は転職先の社名を伝えることによって会社間のトラブルに発展する可能性があるため、上司や社長はもちろん、親しい同僚や部下にも伏せておくべきです。間接的に社長など上層部に転職先が伝わることも考えられ、社員を引き抜かれたことに立腹した社長が転職先に抗議することも想定できます。
会社間のトラブルが発生したことによる内定取り消しや取引先との関係破綻につながるおそれがあるため、転職先の情報は開示しないようにしましょう。
5.現職企業が退職を引き留める法的根拠はないと理解する
万が一、会社がさまざまな理由を持ち出して退職を認めないとしても、民法上は退職意思を伝えてから2週間以上が経過すれば、いつでも退職できると定められています。
実際には社内規定により1~2ヶ月前までの報告が義務付けられているケースもあり、円満に退職するには、自分を犠牲にしない範囲で会社の事情に合わせることも大切です。とはいえ、退職意思の報告から2週間が経てばいつでも会社を辞められることを頭に置いておくことで、堂々と退職交渉に臨めるようになります。
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