2020/11/06
50代の転職は本当に厳しい?失敗せずに活躍できる人材の特徴とは
50代の転職は、転職活動の長期化や年収減少の傾向がある一方、管理者・役員といったハイクラス層においては優秀な人材へのニーズが強く、転職に成功している事例もあります。50代の方が転職で成功するには、転職市場の傾向を知り、しっかり備えることが大切です。本記事では50代の転職事情を紹介し、転職先が決まらない理由や解決策、50代の人材を求める動きや成功のポイントを紹介します。
なお、転職で成功するために、「経験豊富な50代の人材が求められている背景」を早くご覧になりたい場合は、"こちら"から該当の箇所にジャンプできます。
50代での転職は本当に厳しい?50代の転職事情
一般的に、50代からの転職は苦労するというイメージがあります。しかし、実際には本人の実績や能力次第であり、50代で転職に成功している方も少なくありません。このように、これから転職を目指す方が成功する可能性を高めるには、50代の転職には具体的にどのような傾向があるのかを知っておくことが大切です。ここでは50代の転職事情について、他の年代と比較しながら転職件数、転職活動の期間、収入の変化などの傾向を紹介します。転職活動の備えとして参考にしてみてはいかがでしょうか。
他年代よりも転職者は少ない
厚生労働省「雇用動向調査」(2019年上半期)によると、常用労働者のうち転職によって別の仕事に就いた労働者の割合を示す「転職入職率」について、50~54歳は男性が2.9%、女性が6.9%で、55~59歳は男性が2.7%、女性が4.5%でした。
男性は19歳以下から40代までの年代で3%を上回っており、女性は19歳以下から40代前半まで7%を上回っています。50代は男女とも転職入職率が低くなっており、50代で転職する人は他の年代と比べて少ないという結果でした。
転職活動期間は長期化の傾向
50代は転職活動の期間が長期化する傾向があります。大手転職サイトが30代以上のミドル層の転職活動期間を調査した結果、年代が上昇するにつれて転職活動の期間が長引くという傾向が見られました。
具体的には、30代で転職した人のうち転職活動の期間が約2カ月以内だったのは29%でしたが、50代は23%に減っていたのです。一方、30代のうち期間が半年程度、1年程度と回答していたのは、それぞれ26%、5%だったのに対して、50代ではそれぞれ32%、14%と上回っていました。
収入がダウンする可能性も
50代が転職すると、収入が減少する可能性も高くなります。
厚生労働省「雇用動向調査」(2019年上半期)によると、転職した人のうち、賃金が増えたと回答した割合は50~54歳で34.3%、55~59歳で23.6%でした。一方、減少した割合は50~54歳で41.5%、55~59歳で73.1%となっており、上昇した人よりも減少した人の方が多いという結果になっていたのです。
50代以外は、ほとんどの年代において転職で収入が上がった割合が多く、50代とは対照的な結果でした。
50代で転職が決まらない理由とは?解決策も紹介
先述の通り、50代での転職は、転職活動が長期化したり収入が減少したりする傾向があり、必ずしも楽ではない可能性があります。しかし、50代の転職で成功している人も多く、やり方次第でチャンスが広がるのも事実です。ここでは50代で転職が決まらない理由について紹介しますが、定番の理由とその解決策を知っておけば、正しく備えることができます。50代の方が転職で成功するチャンスを高めるヒントとしてご活用してはいかがでしょうか。
育成人材を募集する求人に応募している
まず、50代で転職が決まらない人は、中長期的な育成を目的とした求人ばかりに応募している可能性があります。
現役で実務をこなせるという50代の人材も多くいるものの、会社によっては若手・中堅人材を獲得し、育成する方針を掲げていることも珍しくありません。ただし、なるべく多くの求職者に応募して欲しいため求人情報ではあまり具体的な年齢を記載しないという会社も多いものです。50代の方がそのような求人に応募しても、採用に至る可能性は低くなります。
そこでミスマッチを起こさないためには、その会社が求める人物像を推測したり、あるいは転職エージェントを介したりすることが有効です。
スキルや経験とミスマッチを起こしている
また、応募している求人と、自分のスキルや経験との間にギャップが生じているというパターンもあります。
50代となるとベテランの域で、その分野のプロフェッショナルです。そのため、そういったスキル・経験を求めている会社と巡り合いさえすれば、すぐに採用が決まるというケースも珍しくありません。しかし、転職が決まらないということは、求人の選び方がどこか偏っている可能性があります。
このような場合、一旦自分のスキルや経験を洗い出して、強みを分析し直すことが有効です。
自分の優先順位が定まっていない
さらに、転職における優先順位が定まっていないこともあります。
転職においては、収入ややりがい、ワークライフバランスや裁量権など、軸となる要素はさまざまです。全ての希望を完璧に満たす職場がみつかる可能性もありますが、そのようなケースは非常にまれで、あれこれ求めるとかえって転職の選択肢が狭まりかねません。これは、特に50代でこれまで職場環境に恵まれていた場合に陥りやすい考えです。
会社選びの際は、譲れない軸を2~3個に絞り、その他の要素は一旦考えないようにすると活躍の選択肢が広がります。
企業から求められる!市場価値が高い50代人材の特徴
ここまで、50代の転職は厳しい傾向もみられるということを紹介してきましたが、転職して活躍の場を広げている50代の方がいるのは事実です。ここでは他の会社から求められる50代の人材にはどのような特徴があるのか紹介します。
高度なスキルがある人材
高度なスキルを持つ人材は転職市場で注目されやすくなります。50代であれば実務経験が豊富なので、知識レベルではなく、あくまで実務的なスキルを身につけており、そういった人材は重宝されるのです。
実際に、ハイクラス・エグゼクティブの移籍を専門に手掛ける『転機』では、大手電機メーカーにおいて工場長を経験された男性が、自動車部品メーカーに転職し国内工場の生産体制強化や海外拠点の立ち上げ責任者を任されたという事例もあります。
「大手音響機器メーカーを定年退職後、再度活躍の場を求めて自動車部品メーカーの海外工場長へ復帰」マネジメント経験がある人材
マネジメント経験も有利です。会社側が50代の人材に求めるものには、専門スキルだけでなく、組織を管理する能力も挙げられます。そのため、部門やチームのトップとして実績を積んできた方は興味を持ってもらいやすくなるのです。
例えば、『転機』では、大手電機メーカーにおいて外販部を創設し、事業をリードしてこられた50代男性が、報酬水準を維持したまま情報システム部門の責任者に転職し、社内システムの整備・再構築を担当することになったという事例があります。
「役職定年で年収が半減する前に、同水準の給与で働ける企業を求めて転職」経営幹部・事業責任者として企業をリードする人材
経営幹部や事業部門のトップを経験した50代の人材も貴重です。50代向けには部門組織や新拠点の責任者といったオファーもあり、事業をリードする力があると評価が上がります。
『転機』では、大手食品商社の海外事業部長として売上を改善した実績をお持ちの50代男性が、メーカー子会社の副社長というポジションで海外進出を託されたというケースもあります。
「海外でのビジネス経験豊富な商社マンが、メーカーの海外進出ミッションを託されて移籍」50代でも転職で活躍は可能!50代人材が求められる背景
能力があるベテラン人材を求める会社も多く、50代でも転職することはできます。近年は50代の人材の活躍を後押しする動向もあり、この流れも意識すれば転職では有利です。ここではスキルのある50代の人材が求められやすくなっている背景を紹介します。
中小・ベンチャー企業は専門人材を求めている
中小企業やベンチャー企業は、大企業と比べて人材の層が薄いことも多く、専門的なスキルがある人材や、特定分野での実績があるベテラン人材へのニーズがあります。
例えば、電機やIT、バイオといった専門領域を扱う会社では、専門知識や技術力が事業において不可欠です。しかし、生え抜き人材を育成するのには時間がかかるため、中途採用で技術力を確保しようとすることは多く、特に大企業などで長い経験があり業界事情を知り尽くした50代の人材を求める中小・ベンチャー企業もあります。
経営者の高齢化による事業承継の必要性
国内において経営者の平均年齢は徐々に高齢化しつつあり、大手信用調査会社によると社長の平均年齢は2019年時点で59.9歳でした。これはあくまで平均値で、実際は60代や70代の社長も多くいます。一方で、経営者が引退した後を担う後継者は、決して足りているわけではありません。
このような中、事業や財務基盤は健全であったり、優れた技術や販路を持っていたりするのに、経営者の引退に伴って会社を廃業せざるを得ないというケースもあります。そこで、事業承継を担う経営者人材が強く求められているのです。
特に、これ
事業拡大におけるリーダー・マネージャー人材の不足
事業拡大を目指す会社が、推進役としてマネジメント経験の豊富なベテラン人材を求めるケースもあります。
業績堅調で事業を拡大している若い会社は多く存在しますが、社内に管理層の人材が不足しているケースも珍しくありません。特に若いベンチャー企業は、社内体制が十分に整備されていなかったり、新拠点の組織構築のノウハウがなかったりするために、事業拡大が遅れてしまうことがあります。
そこで、成長を目指す会社にとって、中堅・大手企業などで部門の統括や新拠点の創設といった経験がある熟練したリーダー・マネージャー人材は貴重です。
シニア活躍を後押しする社会的風潮
シニア人材の活躍を後押しする社会的風潮があり、それによって50代の人材も活躍しやすくなっています。
日本国内では少子高齢化が進み、今後人手不足の加速が見込まれることから、シニア人材を含む多様な人材が活躍しやすい環境作りが注目されてきました。2016年には政府によって「ニッポン一億総活躍プラン」が閣議決定され、生涯現役社会に向けた環境整備が進められることになったのです。
今後、シニア人材の雇用継続延長や定年引上げといった動きが進むと、「50代の人材は定年が近いので中途採用しても長く働いてもらえない」という認識は大きく変わり、積極的に採用する会社も増え、特に優秀な50代の人材については引き合いが強くなる可能性があります。
50代が転職に成功するための3つのポイント
50代の人材の転職は、前掲のデータによると厳しい傾向がみられるのは確かですが、一方で、社会的な背景も後押しとなって経験豊富なベテラン人材を求める動きは根強くあり、転職して活躍している人がいるのは事実です。このように50代の方が転職して成功するには、いくつか意識すると良いポイントがあります。
自分の価値観を整理する
まずは、自分の価値観を整理することが大切です。
50代で仕事経験が豊富な方が転職する場合、さまざまな選択肢が考えられます。例えば、これまで培ってきた専門的なスキル・技術を生かし専門職として希望の分野に挑戦する道もあれば、マネジメント経験を生かして将来的に経営層になることも視野に裁量権の大きい役職で活躍する道もあり、正解があるわけではありません。
自分の希望が定まらないまま転職活動を進めてしまうと、転職先が絞れなかったり、あるいは本心とは異なる会社を選んでしまったりする可能性もあります。そのため、あらかじめ転職における軸を決めておくことがポイントです。
選択肢を広げる
転職先の選択肢を広げることも有効です。
マネジメント経験はさまざまな会社で生かせますし、専門的なスキルも他の分野で生かせるケースもあります。50代の方が蓄積してきた経験やスキルは若手がすぐには真似できない貴重なものなので、転職の選択肢を広げてみると、過去と全く異なるフィールドから声がかかることも珍しくありません。
転職先選びの段階では、業種や企業規模などを先入観で絞り込まず、さまざまな求人を探してみると、思いもよらなかった活躍の場所が見つかる可能性があります。
転職エージェントを活用する
転職エージェントを活用するのも効果的です。
ベテラン人材が持つスキルや経験はさまざまな会社から注目される可能性がありますが、特に特定の業界歴が長いと、別分野で活躍できるのかどうか、自分では判断しにくいことがあります。また、50代では役職がつくポストへのオファーもありますが、このような情報は機密度が高いので、非公開となっていることも普通です。
転職エージェントを活用すれば、転職のプロとのカウンセリングを通じて、スキルや経験を洗い出し、活躍できる可能性が高いフィールドについて客観的な提案を受けられます。その上で、非公開になっていることが多い管理層・経営層といったハイクラス求人についても、エージェントが抱えている中から厳選した案件の紹介を受けられるのです。さらに、高い役職の転職では必須ともいえる経営者との直接面談や、条件交渉も依頼することができます。
【サービス紹介】『転機』ではこれまでのご経験を活かせる、新たなキャリアの提供が可能です
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本記事では50代の転職事情として転職活動の長期化や年収ダウンの傾向があることをご紹介いたしましたが、一方でハイクラス・エグゼクティブ層を担う貴重な人材は引き合いが強く、『転機』では短期で移籍先が決まった事例や、年収・役職アップなどの事例もございます。
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