2020/10/30

不動産営業職で40~50代が転職に成功するには?待遇向上・キャリアアップのポイ ント

不動産営業職は、不動産という単価が高い商品を扱うための専門知識や責任感などが求められる一方、成約数や成約額によっては高収入や早期のキャリアアップが望める仕事です。不動産営業職には、さまざまな案件や業態があります。そのため、40代や50代で豊富な経験を積んできた方は、転職によってさらに活躍できるチャンスが潜む仕事でもあるのです。本記事では、不動産営業職で40代や50代の方が転職に成功するためのポイントを紹介します。

不動産営業職で40~50代が転職するメリット

40代や50代の方が不動産営業職で転職すると、収入増やキャリアアップのチャンスがあります。転職を検討する際は、あらかじめメリットを整理しておくことが大切です。ここでは5つのポイントを紹介します。

成果が待遇に反映される

不動産営業職の大きな魅力の1つは、高い収入を得られる可能性があることです。

不動産営業は、仕事のパフォーマンスを物件の成約件数や取扱金額といった数字で具体的に表すことができます。成果をそのまま人事評価に反映しやすいので、成果を出せる優秀な営業担当者ほど給料が高くなりやすく昇格もしやすい点が特徴です。

成果がどれほど給料に反映されるかを指すインセンティブの割合は会社によってさまざまで、大手の不動産会社では比較的緩やかに設定されているケースもありますが、中小・中堅では個人売上の10~20%に設定されていることもあります。40代や50代で営業の実績を積んでからインセンティブの大きい会社に転職する場合は収入が大幅に増える可能性もあるのです。

規模の大きな案件を扱うチャンスがある

大きな金額が動く案件を扱えるチャンスがあることも転職のメリットです。

例えば、住宅の仲介会社においては、扱う物件は数千万円レベルが多く、会社の手数料収入はその物件金額の数%なので、成約1件あたりの売上は限られてきます。しかし、同じ住宅物件でも、都心や高級住宅街などには数億円の案件もあり、同じ1件の成約でも手数料収入は何倍にも跳ね上がるのです。

さらに、デベロッパーといった大手不動産会社では事業用や投資用の物件を扱っていることもあり、こういった会社に転職すれば営業担当者としてより大きい案件に携われるチャンスもあります。

責任の大きな仕事ができる

責任の大きな仕事ができることもメリットです。

住宅物件は顧客にとって一生に一度の買い物というケースも多く、人生の重要な場面に立ち会えるという魅力があります。中には経営者、政治家、スポーツ選手といった富裕層クラスの顧客を相手にすることもあり、金額の大きさだけでなく厳しい要望に対処しなければならないという意味で、責任は小さくありません。

不動産営業ではこのように責任がある仕事だからこそ、不動産を扱う専門スキルに加えて40代や50代の人生経験が役立つのは間違いありません。転職によって、よりやりがいのある仕事で活躍できるチャンスがあります。

スキル・経験を活かせる

スキルや経験を活かせるフィールドで働けるチャンスもあります。

同じ不動産営業でも、住宅用や事業用など扱う物件の種類はさまざまです。また、見込み顧客への営業だけでなく、仕入れ物件の情報収集や売り手との交渉などの仕事が生じることもあります。

このように不動産営業職の仕事は幅広く、40代や50代のキャリアになると得意分野や専門スキルがある方が多くいらっしゃいます。ただし、会社の営業方針などによって、せっかくのスキルを活かしにくいケースも珍しくありません。そこで、転職によって自分の強みを最大限活かせる会社に移ることで収入増やキャリアアップにつながる可能性があります。

新しいトレンドを活かせる

新しいトレンドを活かして仕事ができることも転職のメリットです。

不動産業界は、常に新しい動きが生まれています。例えば、これまで物件の内覧といえば現地に営業担当者と顧客が同行するのが当たり前でした。しかし、現在はデジタル技術が発達し、VR(仮想現実)・AR(拡張現実)技術を駆使することで、遠隔であってもWebサイト上であたかも現地にいるように内覧を体験できるWebサービスがあります。

他にも、コロナ時代のオフィスや店舗の在り方など、不動産業を巡る新しい流れは絶えません。しかし、時代が変化しても、これまでの取り組みを変えることに消極的な会社が存在するのも事実です。40代や50代で実績を積み、さらに新しいことにチャレンジしたいという方にとっては、転職することがさらなる活躍のきっかけになる可能性があります。

要注意!不動産営業職で40~50代が転職するデメリット

不動産営業職で40代や50代の方が転職する際は、チャンスだけでなくリスクがあることも忘れてはいけません。転職の注意点をあらかじめ知っておくことで、失敗を防ぎやすくなります。

成果が求められる

会社によっては成果が強く求められることには注意が必要です。

不動産会社では、顧客を獲得するために折込チラシやポスティング、メディア広告などを実施し、反響のあった見込み顧客に対して営業をするという方法が主流になっています。しかし、反響が少なければ電話営業やセミナーを強いるなど、成果を出すことに厳しい会社もあります。特に40代50代で管理職を任される場合、経営陣からの期待に応える責任と、部下をマネジメントする責任という二重のプレッシャーもあります。

転職の際は、会社の方針や報酬制度が自分に合っているか確認しておくことが大切です。

景気に影響されやすい

景気によって業績に影響を受けやすい点もデメリットです。

不動産業界は、好景気であれば取引が活発になる一方、景気が悪くなると取引は縮小していく傾向があります。アベノミクス以降は堅調な不動産需要を金融緩和マネーが支える形で不動産業界は活況でしたが、この先も同じ状況が続く保証はありません。

大企業であれば収入源が多様で経営基盤もしっかりしていることが多いので、景気が悪くなっても待遇や雇用は比較的安定しているという強みがあります。しかし、40代や50代になって規模が小さい不動産会社に移る場合は注意が必要です。特定の収入源に頼っており経営体力も不十分な会社を選んでしまうと、景気が悪化したときのリスクは大きくなるでしょう。

仕入れの難易度が上がる

仕入れに苦労することがある点もデメリットの1つです。

不動産の取引で成功するかどうかは、仕入れの善し悪しに左右されることがあります。好立地で割安な物件があればすぐに成約がまとまりますが、立地が悪く割高であれば簡単には買い手は見つからないものです。不動産の営業として活躍するには、良い物件情報を仕入れることも欠かせません。

売り手としてはなるべく高く売りたいのが当然で、信頼できる大手の不動産会社に情報を持ち込むケースが圧倒的に多い傾向があります。そのため、40代や50代で、特に大手から中小へと転職する場合、仕入れ力の違いにも注意が必要です。

不動産営業職の転職で有利に!保有しておくべき資格

不動産営業職として転職する際は、いくつか保有しておくと有利になる資格があります。ここでは主な資格を紹介します。

宅地建物取引士

宅地建物取引士(宅建)は不動産営業職としては定番の資格で、転職の際にもやはり保有していると有利になります。

宅建の有資格者は、契約締結前の重要事項の説明や、重要事項説明書面への記名押印、契約内容書面への記名押印といった独占業務が可能です。不動産の売買や賃貸借契約の際はこういった手続きが必須で、宅建保有者がいなければ不動産取引は成り立ちません。また、不動産業では従事者の5人に1人の割合で宅建の有資格者を設置することが義務付けられています。

同じ40代や50代の不動産営業経験者でも、宅建の有資格者は業務範囲が広く、事業所の設置基準も満たしやすいので、会社から重宝されるのが一般的です。

FP(ファイナンシャルプランナー)

FP資格も不動産営業の転職で有利になることがあります。

お金に関する国家資格である「FP技能検定」では、科目は不動産の他、相続や税金、ライフプランニングと資金計画などがあり、資格の等級は1級から3級までの3段階です。FPは、保険や投資商品の紹介や家計のアドバイスなどを行うための資格というイメージもありますが、住宅ローンや資金計画、相続、そして税制といったお金に関する知識は、大きなお金が動く不動産取引にも大いに役立ちます。

40代や50代の不動産営業職として、FP資格を保有していれば、不動産の知識だけでなくお金の面にも詳しいことがアピールできるのです。

その他

その他、不動産営業で役立つ資格には、「不動産鑑定士」が挙げられます。これは、不動産の適正な価格を導き出す鑑定評価と、土地の有効利用のプロであることを示す資格です。

また、「不動産コンサルティング」とは、不動産に関する専門的な知識や能力を持ち、不動産の利用や取得といった幅広い場面で顧客の意思決定をサポートするプロを指します。受験資格は、宅地建物取引士や不動産鑑定士の有資格者で、なおかつ5年以上の実務経験があること。取得することは簡単ではありませんが、転職や顧客対応の際には不動産のエキスパートであることを示すことが可能です。

不動産業界の営業職は未経験でもチャレンジ可能

不動産の営業職は、人が相手の営業職という意味では異業種の営業職とも共通点が多くあります。不動産業界は未経験であっても、これまでの経験やスキルによっては、チャレンジして成功する可能性はゼロではありません。

例えば、金融機関での営業経験があれば、金融商品と不動産は密接に関係している上、どちらも大きな額を扱うという共通点があります。他に、法人営業の経験があれば、事業用・投資用物件の営業でスキルを発揮できることもあるでしょう。建設・建築関係のキャリアがあれば、物件や施工、デザインといった専門知識を武器に、顧客に魅力的な提案をできる可能性があります。

実際、不動産営業職へ転職してさらなる活躍を狙うなら、同業での経験があると有利なのは確かです。しかし、40代や50代でこれまで培ってきた強みがあれば、不動産営業が未経験であっても成功できる可能性はあります。

待遇改善やキャリアアップを目指す!不動産営業職で40~50代が転職に成功するポイント

不動産営業職で40代や50代の方が転職に成功するには、転職事情を知って正しく備えることが大切です。ここでは、特に高い待遇やキャリアアップを目指すための3つのポイントを紹介します。

不動産営業の種類を知る

まずは不動産営業の種類をリストアップし、自分に合う仕事を再確認することが効果的です。

不動産営業は住宅用、事業用などさまざまな種類があり、扱う物件の価格帯にも幅があります。40代や50代となると経験も豊富で得意分野が固まっている方も多いですが、その経験やスキルは現職とは異なる意外な分野でこそ活かせるということも珍しくありません。

もちろん、検討した上で現職と同じ分野で転職先を探した方が良いという結論に至る場合もありますが、さまざまな選択肢を洗い出しておくことで、転職活動において自信を持って決断できます。

扱う案件や報酬体系を比較する

案件と報酬を比較することもポイントです。

一般的に、お手頃な物件なら、1件あたりの成約額は大きくない代わりに販売数が多くなります。一方、高額な物件なら、1件あたりの成約額が大きい代わりに販売数を大きく増やすことは簡単ではありません。どちらも長短はありますが、不動産営業として高収入を狙うには、成約数や1件あたり金額だけでなく、最終的な売上を伸ばすことが大切です。

会社によって扱う物件は異なるので、転職の際は、その会社は自分が売上を立てやすい環境かどうかを確認しておくと高収入につながりやすくなります。また、インセンティブの割合もあらかじめ確認しておくことが大切です。

エージェントを活用する

転職エージェントを活用することも有効です。

40代や50代の方であれば、これまで培ってきたスキルや経験は非常に多くなります。また、不動産営業の求人は多種多様です。そのため、1人で正確に自己評価を行い、どのようなフィールドであれば最も活躍できるのかを分析することは実は簡単ではありません。また、そもそも高収入やキャリアアップにつながる優良求人の情報は非公開とされていることが多いのが実情です。

転職エージェントを活用すれば、転職事情に詳しいコンサルタントの助言を得ながら、求人探しや比較検討、自己分析などを進めることができます。転職者の強みを発見し、数ある優良求人の中から最も活躍できる案件をピックアップした上で、自己アピールの提案や条件交渉といったサポートも受けられます。

40代や50代の方が、膨大な不動産営業職の求人の中から自分の強みを活かせる会社と出会って待遇アップやキャリアアップを目指すためには、転職エージェントへの相談は有効な選択肢です。

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不動産営業の仕事内容

不動産の情報収集や見込み顧客の獲得、物件紹介などを行い、売買や賃貸契約を締結させる仕事です。

自社で開発・施工した物件を販売する分譲販売や、注文を受けて設計・施工をして販売する注文販売、物件オーナーと借り手をマッチングする賃貸営業など、さまざまな業態があります。

不動産営業のやりがい

不動産営業職は、扱う金額の大きさと、高収入のチャンスが魅力です。

住宅は多くの顧客にとって一生に一度の買い物であり、大切な場面を不動産の専門家として支えられる点は大きなやりがいにつながります。

不動産営業職は、成約による手数料収入によって報酬が決まるのが一般的です。成約数が増えたり、大規模な物件を成約させたりした際は、それが報酬に反映され、収入が一気に増える可能性があります。
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