2020/10/30

施工管理の転職で40~50代が成功するためのポイント

施工管理職の転職市場は、近年、建設需要が増加してきている中で逼迫傾向にあります。特に、40代や50代の経験者は即戦力かつ専門人材として引き合いが強く、転職することで待遇向上やキャリアアップ、より良い労働環境を期待することが可能です。本記事では、施工管理職として40代や50代の方が転職する際に役立つ転職事情や、転職のメリット・デメリット、有利になる資格・スキルや成功のポイントを紹介します。

40~50代の施工管理転職で知っておくべきポイント

施工管理職として40代や50代で転職する際は、転職のチャンスを活かすためにも、転職市場の状況や施工管理職ならではの特性を理解しておくことが大切です。ここでは40代、50代の方が転職を目指す際に知っておくと役立つ3つのポイントを紹介します。

施工管理職の求人は逼迫傾向

近年は災害復興・オリンピック需要などもあり、2012年度から2019年度にかけて建設投資額は緩やかに拡大してきました。また、民間の非住宅建築や土木分野への投資額は2015年度から2020年度まで毎年3~6%のペースで伸びています(見込み・見通し含む)。

それに対して、施工管理の担い手となる資格保有者の数は横ばい傾向です。建設や土木、電気などの工事を実施する場合、法律の定めで管理責任者として「主任技術者」や「監理技術者」を設置する必要がありますが、これらの役職者は「施工管理技士」などの国家資格を有していて、なおかつ一定の実務経験が要件とされています。また、学科試験の合格率は50%程度と高くなく、施工管理の有資格者はそれほど増えているわけではありません。

つまり、建設投資が堅調に伸びている一方で施工管理者は不足している状況にあり、企業側は経験が豊富な施工管理人材を強く求めているのです。

五輪延期や感染症によるリスク

施工管理職の求人は逼迫している一方、社会情勢の影響は無視できません。

これまでは復興需要やオリンピック需要に支えられて建設投資が伸び、施工管理職へのニーズも高まってきましたが、2020年はオリンピック延期や新型コロナによって大手ゼネコンの中に建設需要の落ち込みを心配する声も出てきました。

もし今後工事が減るようなことがあれば、現在の「売り手市場」が崩れ、通常の施工管理ができる人材ではなく何らかの専門スキルがある人材のみが選ばれるように変化していく可能性があります。

優秀な人材は多くの案件を任されやすい

優秀な人材ほど多くの案件を担当することが多いことも業界の特徴です。

近年、建設需要に対する担い手不足が続いています。施工会社側からすると、案件を受注できる機会があるのに、人材が不足していることによって受注を諦めざるを得ないという機会損失に直面しているのです。

会社側は、案件を引き受けるために施工管理人材を増やしたいところですが、施工管理職は獲得競争が激しくなっているため大量に採用するのは現実的ではありません。そこで、多くの案件をこなせる優秀な人材に案件が集中する傾向があります。

担当分野によって求められる能力が異なる

施工管理職は、担当する案件や分野によって、仕事の内容が大きく異なるのが特徴です。

そもそも施工管理は建築や土木といった工事の種類によって、施工の内容や必要な資格も全く異なります。さらに、例えば同じ建築系の工事であっても住宅、オフィスビル、商業施設、公共施設など種類はさまざまです。もちろん、同じ住宅工事でも木造かRC木造・鉄骨(S造)か鉄筋コンクリート(RC造)によって工事の方法が異なり、それに合わせて施工管理に求められる能力も違います。

転職の際は、同じ施工管理職だからといって済ますことなく、転職先の会社が主に扱う案件や規模、プロジェクトの進行方法などをあらかじめ確認することが大切です。

40~50代でも待遇アップのチャンス?施工管理職で転職をするメリット

施工管理職の転職においては、実践経験や専門スキルのある40代、50代の方だからこそ有利な面があります。これまで培ってきた経験・スキルをアピールできれば、待遇や労働環境が良い会社でキャリアアップを狙うことも可能です。ここでは施工管理職で40代、50代の方が転職する具体的なメリットを3つ紹介します。

待遇アップのチャンスがある

待遇が向上するチャンスがあることは転職における大きなメリットの1つです。

先述の通り、施工管理者が不足しているために企業が受注を断念せざるを得ない近年の状況では、施工管理ができる人材は非常に重宝されます。40代や50代といった中堅人材は実務経験も豊富なので、企業側からの引き合いは強いものです。

案件数の増加はそのまま売上や利益の伸びに直結するため、特に1人で何件もこなせるような優秀な人材には、厚い待遇が用意されていることも珍しくありません。40代や50代は業務スキルやマネジメントスキルも備えていることが多いので、求職者側は好条件のオファーが期待できます。

労働環境の良い仕事が見つかる

いまよりも働きやすい条件も期待できます。

一般的に、施工管理は多忙な仕事です。品質や安全管理を徹底しながら、プロジェクトの進捗をチェックし、工事現場では職人への指揮をこなす必要があります。また、記録書類の作成業務もあり、そのための現場撮影も必要です。さらに、複数の案件を同時並行的に担当することで業務量が膨れ上がるケースも珍しくありません。

ただし、会社によっては施工管理者の業務負担を減らす努力をしています。例えば労働時間を減らすためにシステム化を進めていたり、あるいは案件数について余裕を持たせて配分したりするケースもあります。転職活動ではこのような労働環境の良い仕事が見つかる可能性もあるのです。

安定性や成長性のある会社で働ける

安定性のある会社や成長が見込める会社で仕事ができる可能性があります。

近年は確かに建設投資額が緩やかに伸びてきていますが、この傾向がいつまでも持続する保証はありません。コロナショックによる工事の停滞や、不況による建設需要の先細りが将来的に起こる可能性はあります。

一般的に、不安定な会社や規模の小さい会社ほど、不測の事態に陥るリスクが大きいものです。そこで、転職によって安定性のある企業に勤めていればリスクヘッジになります。さらに、継続的に成長している企業であれば、職の安定性はもちろん、新しいチャレンジができるという魅力もあるでしょう。

40~50代が施工管理職で転職をするデメリット

施工管理職の方が40代や50代で転職するにはデメリットもあります。転職で失敗しないためには、あらかじめ注意点を知っておくことが大切です。ここでは2つのデメリットを紹介します。

異分野の案件への対応

転職する会社によっては、これまでとは異なる案件に対応する必要があります。先述の通り、建築系の工事の中にも住宅やオフィスビルなどさまざまな種類があり、さらには同じ住宅でもいくつも種類があるものです。当然ながら施工管理者として求められるスキルや知識も異なります。

40代や50代といえば施工管理職としての経験が豊富で、得意分野や専門スキルがあるものです。転職先でも同種の案件を扱えるなら問題ありませんが、工事分野が全く異なる会社に移る場合、新しく知識をつけたり仕事の方法を覚えたりする必要があります。

40代や50代で転職する際は、転職先が自分の強みを伸ばせる会社なのか、あるいは、あえて異分野でも挑戦する意欲があるのかを整理することが大切です。

業務量の増加

転職先によっては業務量が増える可能性があります。40代や50代の施工管理者は、中堅で知識も経験もあり、体力的にも問題なく働ける方も多いため、案件を任されやすいのが普通です。また、求人を出している会社ということは、業務拡大などで多くの仕事を抱えていることが多く、優秀な人材には多くの案件が割り振られる可能性もあります。

案件が増えれば待遇にも反映されるので、もっと多くの案件をこなしたいと考える方は問題ありませんが、働き方にゆとりが欲しいと考える方は注意が必要です。

施工管理職の転職で求められる資格・スキル

40代や50代の方が施工管理職で転職する場合、採用側が求めている要件を知っておくと、チャンスが広がり訴求のポイントも分かります。ここでは施工管理職として持っていると重宝される資格やスキルを解説します。

施工管理系の資格

施工管理に関する資格を保有していれば転職で有利です。

建築などの工事を行う際は、法律にもとづいて施工管理の役職を設置することになっています。小規模な工事やリフォーム工事などのように必ずしも資格が必要とされないケースもありますが、ほとんどは「建築施工管理技士」などの資格保有者が担当するのが普通です。

中規模の工事であれば「主任技術者」の設置が義務づけられていますが、主任技術者になるためには建設業法にもとづいて「建築施工管理技士」の2級以上が必要で、さらに大規模な工事では「監理技術者」を設置するために同資格の1級が必要になります。

つまり、施工管理職は基本的に有資格者が務めるものであり、また該当の資格者がいなければ工事が成立しないこともあるのです。こういった事情もあり、施工管理に関する資格があれば、会社から重宝されることになります。

多くの件数を管理できる能力

多くの案件を扱える能力は重視されます。

先述の通り、建設需要に対する人材不足により、会社側には機会損失が発生していました。経営者としては案件を増やすほど売上も増加するため、なるべく受注数を増やしたいものです。施工管理人材が逼迫している中では、1人あたりの案件数は増える傾向にあります。

そのため、どのような案件を扱えるのかという質の部分ももちろん重要ではありますが、より多くの案件数をこなせる能力も求められます。例えば、住宅建築であれば年間20件ほどを無理なく回せるかどうかが1つの目安です。

規模の大きい案件への対応力

規模が大きい案件を扱う能力も、転職で強みになるポイントです。

案件の規模は、そのまま会社の売上に直結します。案件の規模が大きければ大きいほど受注金額が大きくなり、規模が小さければ小さいほど受注金額が少なくなるのが普通です。

もちろん、規模によって業務負担や投下するリソースも変わるので、規模の大小について一概に良し悪しはいえませんが、業績を高めたい会社にとっては、大きな案件を扱える施工管理人材はどうしても確保したい人材だといえます。

もし大きな案件を扱える施工管理系の1級資格を保有しており、実際に大規模案件の担当実績があれば転職で有利です。

高い難易度の案件への対応力

難易度が高い案件への対応力も求められることがあります。

難しい案件にも対応できる人材がいれば、会社としての対応の幅が広がり、さまざまな案件の受注が可能です。特に、難易度の高い案件の施工実績は会社の技術力のアピールにもなるので、受注競争という点でも有利になります。

会社が新卒ではなくあえて中途人材を求めることの背景には、即戦力かつ何らかのスキルを持った人材が欲しいという事情もあるものです。会社側にとっては、40代や50代で難易度が高い案件も管理してきた実績がある人材を迎え入れることで、社内でノウハウを共有したり、あるいは若手の育成に繋げたりする狙いもあります。

このような事情から、難しい案件にも対応できると40代や50代の転職ではアピールになるのです。

40~50代が施工管理転職で成功するポイント

施工管理職で40代や50代の方が転職する場合、成功するためにはいくつか意識しておくと良いポイントがあります。ここでは3つを紹介しましょう。

自分の優先順位を整理する

転職活動をするにあたっては、自分自身の優先順位を整理しておくとスムーズです。

施工管理の仕事は、複数の現場を掛け持ちしながら安全管理や進捗管理、現場とのコミュニケーションを行い、施工全体に気を配る必要があるため、基本的に多忙で責任が重いという特徴があります。

そのような職種において、忙しくても良いから仕事をこなして待遇を改善したいのか、あるいは、もっと時間や精神面でのゆとりを持って働きたいのか、さらには、中堅やベテランの立場として経験やスキルを次世代に共有したいのかなど、キャリアの選択肢はさまざまです。

どのような働き方を選ぶかによって、転職で目指すべき会社は全く異なるため、自分の希望を整理しておくことが重要といえます。

過去の実績の棚卸しをする

また、過去の実績を棚卸しすることも有効です。

転職活動では、自分のこれまでの実績や経験を見直した上で、強みや弱みを洗い出しておく作業が欠かせません。特に、施工管理職はそのキャリアによって得意分野も獲得するスキルも多種多様です。

また、転職活動では、数多くの求人案件の中から自分にマッチするものを探し出し、選考では限られた時間で面接官に実績やスキルを伝えなければなりません。40代や50代ともなれば、経験も豊富なので、その中から自分の得意分野や強みを洗い出すのに時間もかかるはずです。

冷静に自己分析することは、転職先とのミスマッチを防ぐ効果があり、選考の際にも自分の魅力を端的にアピールできるメリットがあります。

転職エージェントに相談する

転職エージェントを活用することも手段の1つです。

施工管理職は求人数も多いため、仕事が多忙な中で希望に合ったの案件を探すことは簡単ではありません。また、自分のスキルや経験の棚卸しについても、自分1人では気づきにくい長所を見落としてしまうことがあります。さらに、待遇や働き方についても、個人で交渉するのは楽ではありません。

一方、業界に強い転職エージェントに相談すれば、自分の要望や隠れたアピールポイントを引き出すサポートを受けられますし、希望に合う案件探しも任せることができます。条件面についても、転職エージェントは優良な非公開案件を抱えていることが多いのに加えて、市場の相場や経験・実績を考慮した上で不利にならないよう交渉を依頼することも可能なのです。

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施工管理の仕事内容

施工管理の仕事内容は、建設工事などの工程、安全、品質、予算などに責任を持ち、現場全体を管理することです。現場の職人の指揮を取り工事を円滑に進行させることに加えて、現場の記録や行政への申請書類作成といった事務作業も担当します。工事の種類は建築、土木、造園、電気、管などさまざまな種類があり、それぞれ専門知識や必要資格も別々です。

施工管理の仕事のやりがい

施工管理の仕事では、大きな責任感や達成感が味わえます。施工管理職は、工事現場の責任者として施工主や協力会社、現場の作業員、行政機関など、さまざまな関係者と協力しながら円滑に施工を進めるのが責務です。自分の管理能力や調整力によって工事の進捗が変わるため責任は小さくありません。また、仕事の成果は建築物などの形で残るため、責任が大きい分、達成感もあります。
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