2020/10/30

AIエンジニアの転職で成功するには?転職事情と高収入・キャリアアップに役立つスキル

AIエンジニアは、AIの活用がIT産業のみならず医療や製造など幅広い分野に広がるにつれて、高待遇のポストも多くなり活躍の場も広がりつつあります。豊富な選択肢がある中、AIエンジニアが転職で失敗しないためには、転職市場を理解して正しく準備することが大切です。本記事では、AIエンジニアの方に役立つ転職事情や、平均年収、優遇されるスキルや転職で成功するポイントを紹介します。

現状はAIエンジニア不足!知っておきたい転職事情

AIエンジニアは人手不足の状況ですが、転職の際はAI人材が特に求められる分野や職種などを知っておくと有利です。ここではAI人材をめぐる転職事情を紹介します。

AIエンジニアへの需要は増加傾向

AIエンジニアへのニーズはひたすら高まる一方で、人材不足が加速しています。

近年はAIをはじめIoT、ビッグデータ、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、さまざまなトレンドが注目されており、特にAIはあらゆるデジタル技術の基盤として幅広い分野での活用が期待されてきました。

しかし、増え続けるAI需要に対して、AI人材の供給数は足りていません。みずほ情報総研の試算によると、大学や大学院から輩出されるAI人材は2018年時点で約1万人だったのが、2025年には7.8万人、2030年には11.9万人に増加する見込みです。しかし2018年時点でAI人材は3.4万人が不足しており、2030年には最大14.5万人が不足すると予測されています。つまり、AI人材の売り手傾向は今後も続くと見込まれるのです。

AIエンジニアの活躍の幅は拡大

AI技術はIT分野だけでなくさまざまな分野にも拡大しており、AI人材が活躍する場は広がっています。

現在、AIの活用が最も進んでいる業界の1つはIT業界です。検索サービスや大手ECサイト、SNSといったプラットフォーマーと呼ばれるハイテク分野ではビッグデータ分析やプロモーション、サービス最適化などにAI技術が活用されており、サービスの高度化を支えてきました。

その他にも、以下のようにAIの活用事例は豊富です。

- 通信・インターネット分野→ビッグデータの分析
- 医療分野→画像診断、新薬開発
- 自動車分野→自動運転
- 製造・建設分野→オペレーションの自動化、検査の高品質化

このように、AIの活用分野が広がるにつれてAIエンジニアの選択肢も増えつつあります。

AI関連の職種も多様化

AIの職種は多様化しており、以下のようにさまざまな活躍の選択肢が生まれています。

- AIエンジニア(AI開発者)
- AIサイエンティスト(AI研究者)
- AIプランナー(AI事業企画)

AIエンジニアはいわゆる開発者を指し、AIモデルや機能をソフトウエアやシステムに実装する人材です。AIサイエンティストはAIを実現する数理モデルの研究を行い、新しい知見を獲得したりモデルを発見したりすることを目指します。AIプランナーはAIを活用した製品・サービスを企画し事業に落とし込む人材です。

その他にも、AIの提供者ではなくユーザーとして、AIが搭載された製品・サービスを導入、活用できる人材へのニーズも高まっています。

高騰傾向にあるAIエンジニアの平均年収

近年、AIエンジニアの年収は高騰している傾向にあります。

AIエンジニアの平均年収を知る上で参考になるのがIT人材白書です。2020年版によると、AI技術者を含む「先端IT従事者」の年収のうち、最も多かったのが1,000万~1,500万円で従事者全体の15.2%でした。その他、およそ半分にあたる44.2%が600万~1,000万円に収まっており、3,000万円超えのケースもある状況です。

実際、個別のケースでも大手電気メーカーやIT大手企業などでは新卒人材に1,000万円以上の待遇を用意している国内企業もあり、実績のある中途人材向けではさらにそれを上回る求人もあります。海外のIT大手では5,000万円以上の報酬が用意されていることもあり、AI人材の待遇は青天井になりつつあるのです。

企業も注目!AI転職で活躍するパターンとは?

AI関連職で転職する際は、会社側が注目する経験やスキルを知っておくと有利です。ここではAI人材として転職先でも活躍できるパターンを紹介します。

大手SIerでの開発経験

大手SIerでAIを開発した経験がある人材は転職で活躍しやすいといえます。

SIerは大手になるほどIT人材が豊富で、AI研究にも多額の投資をしているため、高度なAI人材が育ちやすいという点が特徴です。そのような環境でAI研究や開発をした経験がある人材は、別の会社でも通用するスキルを持っている可能性が高くなります。

また、SIerであればAI機能を自社製品・サービスに搭載して販売する場合もあり、そのようなプロジェクトに携わった経験があると、AIをビジネスに応用する知見があると評価されて転職で有利です。

ロボット開発経験

ロボットの開発経験もAI職の転職では有利です。

AIはシステムやソフトウエアといった無形のサービスで活用されている他にも、有形の製品に導入されるケースが増えてきています。例えば、ドローンや掃除ロボット、人型コミュニケーションロボットなど、AIの導入例は豊富です。

一部の会社は、AIサービスだけでなく、物理的なロボットとAIを組み合わせたソリューションを提供することで差別化を図ろうとしています。そのためにはロボット開発の知見も必要で、そういった人材は貴重なのです。

実業系企業でのAI・IoT導入経験

専門的なAIエンジニアではなくても、実業系の会社でシステム担当者としてAIやIoTの導入経験があれば転職で評価されることがあります。

製造や建設、流通といった現場では、AIやIoTといった先端技術に対する関心が高い状態が続いています。これは、現場の人手不足に加えて、競争のためには生産性向上の取り組みが欠かせないことが背景です。実際、IT大手も製造などの現場に向けて先端IT技術を活用したソリューションを提供しています。

ただし、こういった先端IT技術は、ユーザー側にも専門知識が必要なため、簡単に使いこなせるわけではありません。そこで、ユーザーとしてAIやIoTなどの導入経験があれば、同じようにAIを導入したい会社から必要とされやすいのです。また、実業系企業をクライアントに抱えるAI開発企業にとっても、現場に詳しい人材は注目されやすくなります。

中小・中堅企業でのAI・IoT推進責任者

中小規模の会社でAIやIoT導入の責任者を務めた経験も転職市場では評価されることがあります。

そもそも中小規模の会社では、大手と違ってITシステムに詳しい人材を確保するのが簡単ではありません。そこで、総務部門の一部の社員や、あるいは数人の社内SEといった特定の人物がシステムを一手に担っているというケースもあります。

この状況では他の社員に頼れない分、自分でさまざまな経験を積むことにもつながり、実務的な知識やスキルを幅広く身につけることになったという人も珍しくありません。こういった経験は別の会社

AIエンジニア転職で待遇アップ・キャリアアップするために必要な3つのスキル

AIエンジニアとして転職して収入増加やキャリアアップを目指すには、重宝されるスキルを知り、転職先にアピールすることが大切です。ここでは転職で評価されるスキルを紹介します。

エンジニアとしての専門スキル

プログラミング言語を駆使して開発する能力は必須です。AI開発ではPython、JavaScript、Ruby、C言語などが用いられることが多く、こういった言語に精通している必要があります。

また、AIを構成する数理モデルを把握した上で、AI機能をソフトウエア、アプリケーション、システムなどに実装できる能力も必要です。特に、機械学習や深層学習(ディープラーニング)に携わる場合は統計やアルゴリズムの知見が欠かせません。

コミュニケーション能力

AI職で活躍するにはコミュニケーション能力も大切です。

AI開発はチームで行うことが普通で、メンバーと密接な意思疎通ができれば相乗効果が発揮され円滑にプロジェクトを進行させることができます。チームプレーができれば、開発の納期短縮やコスト削減、パフォーマンス向上につながるので、協調性の高いエンジニア人材は貴重です。

また、AIエンジニアは経営者やクライアントなどと直接やり取りしながら開発することもあります。そこで、要望を正しく汲み取り、相手に物事をわかりやすく伝える能力も必要です。

ビジネス構築能力

ビジネスを構築する能力もあると評価は高くなります。

研究機関ではなく事業会社でAI開発に携わる場合、AIを何らかの製品・サービスに盛り込むことを目的として開発するケースが一般的です。そのような場合は、AIそのものを追求するだけでなく、技術を使ってどのようなプロダクトを生み出すかというビジネス視点があると、AIエンジニアとして高待遇やキャリアアップにつながりやすくなります。

また、AI職には開発職のエンジニアだけでなく、AIプランナーという事業企画を担当する職もあり、ビジネス面の知見があると活躍の幅も広がるのです。

AIエンジニアの転職で成功するためには?

AI関連職は、活躍の選択肢が広がりつつある中、転職の失敗を避けるにはあらかじめ方向性を定めておくことが欠かせません。ここではAIエンジニアなどAI関連職の方が転職で成功する3つのポイントを紹介します。

自分の志向とマッチする会社を選ぶ

自分の志向と合う仕事を選ぶと転職での失敗を防ぎやすくなります。

AIが注目されるにつれて、AIエンジニアの仕事内容も増えている状況です。例えば、AIを製品・サービスに直接応用することを目指すビジネス志向の強いポストや、じっくりとAIのモデルや手法を開発できる研究色の強いポストがあり、それぞれプロジェクトの目的や開発環境は異なります。

他にも、AIの活用分野は医療・感染症系、通信・インターネット系、製造・建設系など豊富で、社会的意義や開発手法もさまざまです。このようにAIエンジニアとしての選択肢は多いため、転職の際は自分のやりたいことを整理しておくと会社選びがしやすくなります。

スキルや成果が待遇に反映される会社を選ぶ

能力や成果が適正に評価される会社を選ぶことも重要です。

そもそも高度IT職の特徴として、高度なスキルを持った人材に対しては、入社年次や年齢にかかわらず、収入や役職を優遇するという会社が増えつつあります。一方で、古くからの年功序列制度が残っており、突出した待遇を用意しにくいという会社があるのも事実です。

転職で高収入やキャリアアップを目指すのであれば、能力に応じて適正な待遇を設定している会社を見極める必要があります。

転職エージェントを活用する

転職エージェントを活用することも転職の成功につながりやすくなります。

AI職は、活躍の幅が豊富です。また、AI職全体の待遇も高くなりつつあるとはいえ、会社によって大きな幅があるのが現実で、個別の求人の条件を精査するのは簡単ではありません。さらに、AIエンジニアの方が自分のスキルや経験を洗い出し、自己分析するのは意外に手間や時間がかかることもあります。

転職エージェントに相談すれば、カウンセリングを通じてこれまでの経験から自分の強みを客観的に分析した上で、転職先選びの方向性を明らかにすることが可能です。また、非公開を含む優良な案件の中から、スキルや希望に合った案件の提案も受けられます。そのため、満足度の高い結果につながりやすいのです。

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AIエンジニアの仕事内容

AIエンジニアは、AIモデルや手法を分析・創出したり、AI機能を搭載した製品・サービスを生み出したりすることを目指してAIの研究や開発を行う仕事です。AI技術が進展するにつれて技術の応用分野が広がりつつあり、AIエンジニアの活躍の選択肢も通信・インターネット、医療、製造・建設など幅広くあります。

AI関連職には大きく分けて研究、開発、事業企画があり、AIエンジニアの他にもAIサイエンティストとしてAIモデルを研究する仕事や、AIプランナーとして事業化に携わる仕事もあります。

AIエンジニアのやりがい

AIは高度デジタル技術の中でも基幹的な技術であり、AIエンジニアは現在最も注目されるフィールドで開発ができるという点がやりがいです。また、AIは人々の暮らしや仕事に幅広く応用されつつあり、世の中にインパクトを与える製品・サービスの開発に携われるという点も魅力です。さらに、AI職の待遇は急速な上昇傾向で、スキルや実績に応じて高収入が期待できます。
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