2020/11/27

転職時の経営者面談で成功するポイントは?効果的な逆質問と3つの注意点

転職において経営者面談は、内定を得るための重大な関門であるというだけでなく、経営ビジョンや事業方針に自分が共感できるかを確かめるためにも大切な場です。経営者面談を有意義に行うためには、事前の準備が欠かせません。本記事では経営者面談の意義や会社側が注目している項目を紹介し、効果的な逆質問や注意点、成功のポイントを紹介します。

転職時に経営者と面談をする3つの意義

転職時に経営者と面談することは、経営ビジョンの認識を合わせたり条件を調整したりできるなどさまざまなメリットがあります。これから経営者面談を控えている方がその意義を理解していれば、面談をより有意義なものにできるでしょう。ここでは経営者面談の3つの意義を紹介します。

経営ビジョンの認識合わせ

1つ目は、経営ビジョンや経営方針といった重要な考え方について経営者に直接確認ができる点です。

一次面談や二次面談では、人事部門の社員の他にも、事業部門の主任、課長、部長などが担当することが多くあります。面談相手が現場レベルの人物の場合、現場業務に詳しいので現場組織の雰囲気を掴みやすいという点はメリットです。

しかし、経営ビジョンや会社の方向性といった大きなテーマは、あくまでも現場から見た姿でしか語れないこともあります。転職先で活躍するためには価値観のすり合わせは大切ですし、上位ポストを目指す場合は、経営ビジョンに共感できるかどうかは重要な要素です。

経営者面談では、経営者からありのままの経営ビジョンを聞くことができる他、気になる点はその場で直接確認ができます。そのため、経営の方向性についての誤解を防ぐことができるのです。

職務や役職の明確化

2つ目は、職務や役職を明確にできる点です。

面談相手が部課長レベルの場合、必ずしも人事について大きな権限を持っている訳ではありません。そのため、応募する側は十分な実績があって部長級ポストを希望しているのに、面談の場では確約を得られないという場合もあります。これでは、応募者は裁量権があるポストだと思って入社したのに、実際は補佐級だったという食い違いが起こるリスクがあるでしょう。

一方、経営者には人事や事業運営について裁量権があるため、面談の場で担当するポストや事業内容の確約が得られます。場合によっては、応募者のために新しい部署や拠点を開設して、その責任者として迎えることを約束するケースもあるのです。

待遇や勤務条件の調整

3つ目は、条件面のすり合わせができる点です。

例えば、転職する上で報酬は重要な条件の1つですが、管理職や人事担当者の裁量権には限りがあるので、面談で応募者が優秀だと理解できたとしても、決められた範囲内でしか提示ができません。

一方、経営者は裁量権があるため、その人材が会社にとって本当に必要だと分かれば、即座に好条件を提示することができます。優秀な応募者にとっては、高い報酬や働きやすい労働条件を獲得しやすいのです。

経営者との面談で見られているポイント

人事部門や管理職クラスが相手の面談ではスキルや実績、一緒に働きやすいかといったポイントが見られるのに対して、経営者面談では価値観の相性やビジネスパーソンとしてさらに本質的な要素が注目されます。経営者面談に備えるためには、経営者が注目するポイントを知ることが不可欠です。

会社との相性

まず、会社との相性は非常に重視されるポイントです。

一次面談や二次面談ではこれまでの経験やスキルなどを問われるため、一問一答のような形式になる傾向があります。一方、経営者面談では、すでに応募者に十分な能力があることは分かっているのが普通です。ただし、優秀な人材であっても、会社になじめるかどうかは分かりません。

そこで、経営者面談では、応募者にプロとしての素質があることは前提とした上で、その会社の経営ビジョンや事業方針、組織文化になじみながら活躍できるかどうかが注目されます。そのため、経営者との面談は形式的な質疑応答ではなく、より自由に双方の考えについて話し合う場になるのが一般的です。なお、2回目以降の面談では、より踏み込んで双方を理解するために、お酒も交えた会食の席が設けられることも多々あります。

将来のイメージ

次に、将来のイメージも経営者から注目される要素です。

会社側が経営者面談を設けるということは、その募集ポストを重要だと考えており、その人物が一時的な活躍ではなく、根を下ろして長期的に活躍することを期待しています。

仮に専門スキルがあり、経験豊富な人材であっても、将来のイメージがその会社のビジョンと合致していなければ、長く活躍するという期待ができません。また、将来像が定まっていない場合も「入社してもいつか転職してしまうのでは」と不安を感じることになります。

そこで、経営者に対しても臆することなく将来のイメージを語れる人材であれば、安心して長く仕事を任せられるという信頼を持たれやすくなるのです。

経営幹部としての資質

さらに、経営幹部としての資質があるかどうかも注目されます。

そもそも経営者面談が行われる場合、管理職や役員といった上位ポストの募集か、あるいはまだ中堅であっても将来の幹部候補としての活躍が期待されている重要な職の募集であることが普通です。ただし、一次面談や二次面談では実務的な能力や現場で働く上でのコミュニケーション能力が十分かをチェックされることはあっても、経営幹部としての資質があるかどうかまでは見られません。

そこで、経営者面談では、経営幹部を任せられる人物かどうかを経営者自身の目で見て判断します。特に、経歴や実績といった外形的な要素よりも、むしろ責任感やチャレンジ精神、リーダーシップといった人間性が重視されるポイントです。

効果的な逆質問とは?面談で積極性をアピールできる3つのパターン

逆質問とは、面談の場で応募者側が行う質問です。経営者面談で経営者側が逆質問を促す目的は、応募者の疑問を解消することや、応募者の意欲、コミュニケーション能力を確かめること、会社との相性などを確認することなどさまざまです。

こういった狙いを知っておくと、好印象になる逆質問とそうでない逆質問が分かります。ここでは効果的な逆質問のパターンを紹介します。

その会社を熟知していることを示す

逆質問では、その会社を熟知していることを示せるような内容であると効果的です。

経営者は、応募者に対して「本当に会社のことを理解してくれているのか」、「表面的な知識ばかりで、入社してからギャップを感じて辞めてしまうのでは」という心配を持っています。そこで、深い質問を行えば、会社に強い関心があり、入社したいと熱心に思っていることの証明が可能です。

例えば、「御社のAというサービスは競合と差別化されており全国でも通用すると考えますが、今後販路を拡大する予定はあるのでしょうか」という質問は、サービスの魅力と展開エリアを把握しており、販売戦略にも関心があることを示しています。他にも事業への思いや今後のビジョンを深掘りする質問は熱意をアピールする上で有効です。

その会社で自分が果たせる役割を提示する

また、質問を通して自分が果たせる役割を提案するパターンも効果的です。

どのような会社でも、募集要項を見てその基準を満たすことを淡々と訴求する人物よりも、その会社が抱えている課題や将来像を理解した上で「自分はこのような形で力になれる」という提案型のアピールをする人物の方が重宝されます。

特に経営者面談を行う場合は経営幹部や幹部候補人材を求めていることが多く、主体的に課題を解決できる人材は好印象です。質問や提案の内容が具体的であればあるほど、その会社で活躍するイメージをしていることのアピールになります。例えば、過去にアパレル企業の経営者面談において、候補者が既存店舗の課題と改善方法を提案すると「会社を理解している」と信用され、内定にいたった事例もあるのです。

自分の理想像から質問内容を逆算する

自分の理想像を質問内容に盛り込むことも有効です。例えば「自分は新規拠点開設の実績があり、転職先でもそのような仕事をしたい」という理想があるなら、「御社ではそういったチャレンジが可能なのか」といった質問をすることを指します。

理想像を盛り込んだ質問をすると、自分の熱意をアピールできるだけでなく、経営者から経営ビジョンや事業展開をより深く聞くことが可能です。その結果、入社後のイメージを固めることができ、転職後の後悔を防ぐことにもつながるのです。

評価が下がる可能性も?経営者面談での注意点

ここまで経営者面談の意義や成功のポイントを紹介してきましたが、万全の対策をするためには失敗を避ける方法も知っておくことが大切です。ここでは思わぬ言動で評価を下げることがないように、経営者面談の注意点を紹介します。

自分の言葉で誠実に話す

1つ目は、正直に自分の考えを話すことです。

転職の面談では、内定が欲しい気持ちが先行して、意見が異なる部分があってもあえて触れずに、面談の場を上手く乗り切ろうとする応募者がいます。しかし、これでは当たり障りのないやりとりになってしまい、「本音が見えない」、「印象に残らない」という結果になりかねません。

また、職務内容や事業方針といった重要な部分について認識のすり合わせができていなければ、仮に内定が出ても、入社してから意見の対立が起こってしまいます。このように、経営者面談という重要な場で安全策として本音を見せないのはかえって逆効果になるリスクがあるのです。

前向きな姿勢を見せる

2つ目は、常に前向きな態度を保つことです。

経営者面談では、現職を辞めたい理由や、仕事での失敗談など、過去の出来事を聞かれることがあります。退職理由や失敗談というと、どうしてもネガティブな方向に話が進みがちですが、それでもなるべくプラスの側面について話すことが大切です。例えば、「現職は保守的な社風で将来性に不安がある」なら、「成長性のある環境で自分の実力を発揮したい」というように未来志向で言い換えるようにします。

結局のところ、経営者は面談によって応募者が自社で活躍できる人材かどうかを確かめよ

待遇・福利厚生にこだわりすぎない

経営者面談では待遇面にこだわりすぎないことも大切です。

そもそも経営者面談とは「会社に対して自分がどのように貢献できるのか」を説明する場であることを忘れないようにする必要があります。仮に自分ができることよりも自分が得られる給料や福利厚生面についてばかり話すと、魅力を伝えられないばかりか、「仕事内容やビジョンよりも、待遇の方に興味があるのか」と誤解されかねません。

もちろん、働く上で待遇は重要なので、面談で確認しておくこと自体は何ら問題ありませんが、不必要な誤解を与えないように質問を適度に抑えておくことは有効です。なお、どうしても待遇面について調整したい場合は、転職エージェントなどを介する方法もあります。

失敗しない!経営者面談に成功するための準備

経営者面談で成功するためには入念な準備が欠かせません。ここでは特に大切な3つのポイントを紹介します。

要点の整理

まず、自分の言いたいことは端的かつ分かりやすく伝えられるように準備しておきましょう。経営者は忙しいため、シンプルなやりとりを好む傾向があります。短く力強い言葉で伝えられれば、会話もスムーズになり好印象です。特に、自分の強みや実績、転職動機や将来イメージなど、予想される問答はシミュレーションしておく必要があります。

転職先のリサーチ

次に、会社へのリサーチは万全にしておきましょう。深くリサーチをしていれば、必ず相手に伝わります。意欲をアピールするためにも、入社して後悔しないためにも、深いリサーチは必須です。

転職エージェントの活用

さらに、転職エージェントを有効に活用しましょう。転職エージェントは一般公開されていない優良求人を多く抱えており、経歴や希望にマッチした案件の紹介を受けられます。また、経営者との面談の調整や条件交渉を依頼することも可能です。

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