2022/03/11

退職交渉の切り出し方・手順と時期・期間の目安は?成功のコツと注意点

移籍・転職先が決まったら現職の会社に退職交渉をする必要があります。退職時は引き留められるケースにも備えて、スムーズに退職交渉を進めるコツを知っておくことが大切です。本記事では退職交渉の切り出し方・手順と時期・退職交渉にかかる期間の目安など、退職交渉を成功させるためのコツや注意点についてくわしく解説します。転職先が決まった方も、これから転職活動を始める方も、スムーズな退職・転職において重要なポイントとなる本記事の内容を参考にしてください。

退職交渉の基本的な手順

退職交渉の基本的な手順は以下の3つです。

- 就業規則・契約内容を確認する
- 会社側に退職意思を伝える
- 退職の時期・引き継ぎ方法を話し合う

各手順について以下で解説します。

就業規則・契約内容を確認する

取締役や監査役など役職者を除き、多くの方は会社と雇用契約を締結しています。この場合は就業規則を確認のうえ、退職の届出方法や退職時期などを確認しておいてください。

一方、会社の取締役員などのハイクラス層は一般的な雇用契約でなく、「委任契約」を会社と結んでいます。そのため、任期やその他のルールについては就業規則ではなく、委任契約書で確認する必要があります。また、役職者の辞任は通常、株主総会を経て認められることになるため、その手続きも事前に確認し、把握しておきましょう。

会社側に退職意思を伝える

退職交渉の第一歩として、まずは直属の上司に退職の意思を表明します。口頭で退職意思を伝えるだけでもよいですが、できれば退職願を書面で提出しましょう。詳細は次項「退職の切り出し方」でご説明します。

退職の時期・引き継ぎ方法を話し合う

次に、後任者の選定を含め、引き継ぎ方法や退職時期を直属の上司と相談して決定します。詳細は後述します。

退職の切り出し方

退職交渉を切り出す方法はケースバイケースですが、いずれの場合も直属の上司へ面談の依頼をすることから始まります。面談での切り出し方も決まった方法があるわけではありません。ここでは例として以下の3つのケースについて解説します。

- 一般的な切り出し方
- 転職が決まっている場合の切り出し方
- 重要なポジションに就いている場合の切り出し方

面談の依頼

退職交渉は直属の上司に対して行います。直属上司よりも先に人事部や役職者へ伝えるのはマナー違反です。また、直属の上司よりも先に同僚などへ退職意思を漏らしてしまうとトラブルの原因になりかねません。直属の上司へ最初に伝えるのが原則です。

退職の意思を伝える当日は朝いちばんで、その日のどこかで時間を確保してもらうように上司へ依頼してください。「プライバシーに関わる内容のため、他の従業員などの目に触れず、落ち着いて話せる場所で面談をお願いしたい」と伝えます。面談の場所は会議室など、他の従業員が入ってこない個室が望ましいです。

また、面談を依頼する際は「ちょっと、よろしいでしょうか」などと声をかけましょう。「今後のことでお話があります」など、退職交渉を察知させる言い方は避けてください。面談の前に退職交渉と気付かれると、時間を割いてもらえなくなる可能性があるためです。

一般的な切り出し方

どのような場合でも、退職交渉を切り出す際は最初に「これまで大変お世話になったのですが」という感謝を伝えることが大切です。続いて「退職させていただきたい」と、退職の意思表示という要件を丁寧に、かつ、はっきりと伝えることを忘れないようにしてください。自分と上司、双方にとって無駄な時間や労力を避けるためにも、「まだ退職意思が固まっていない」「条件次第では残留も検討している」かのような誤解を与えないように、くれぐれも注意しましょう。

退職交渉を切り出せばその理由を聞かれることも想定し、慰留されても揺らがないよう、強い意志で面談に臨むことも重要です。また、退職理由は「一身上の都合」あるいは、個人的な理由を述べるようにしてください。会社や職場、待遇への不満などを退職理由として述べることはトラブルの原因になるため、避けるようにしましょう。

退職時期については1~2ヶ月先が目安です。希望を伝えつつも、一方的な印象を与えないように相談という形式で進めることが円満退社につながります。

転職が決まっている場合の切り出し方

転職先が既に決まっている場合は、仕事に対する前向きな内容を、退職理由として上司に伝えましょう。例えば、「自分のスキルをより発揮できる職場に移りたい」「新しいスキルを獲得できる場が欲しい」といった内容です。仕事に対する意欲があるにもかかわらず現職の会社で希望を叶えられないことを上司に理解させられれば、退職を思いとどまるよう引き留める理由がなくなるため、退職に難色を示されにくくなります。

重要なポジションに就いている場合の切り出し方

チームリーダーや役職者といった社内で重要なポジションに就いているハイクラス層の方の場合、退職が会社に与える影響が大きいため、上司に引き留められる可能性も大きくなります。自分が退職することで生じるロスをどのように解消するかのプランを具体的に伝えることにより、上司の不安を軽減して、慰留を回避しやすくなるでしょう。後任者と引き継ぎ計画などを用意したうえで退職交渉に臨むのがおすすめです。

このケースの伝え方を1つ挙げておきます。
『重要な仕事をお任せ頂いている立場で恐縮ですが、退職させていただきたく思います。私の担当業務については〇〇君に後任をお願いしたいと考えており、引き継ぎ計画書も既に準備してあります』

退職を伝える時期や退職交渉にかかる期間の目安

スムーズな転職のためには退職交渉の所要期間を事前に把握しておき、適切なタイミングで退職の意思表示をすることが大切です。退職交渉を切り出す時期の目安や法律で定められている退職に必要な期間について、以下で解説します。

退職交渉を切り出す時期の目安

転職先が決定したら、すぐに直属の上司へ退職の意思表示をすることが一般的です。退職手続きには約1ヶ月を要するため、早めに退職交渉を始めないと退職が遅れ、転職先に迷惑がかかる可能性が出てきます。

また、一般的には退職希望日の1ヶ月半くらい前~1ヶ月前に退職交渉を行うのが適切とされています。仕事の引き継ぎに要する期間を考慮すると、1ヶ月程度の期間があれば無理なく引き継ぎができると考えておけば間違いないでしょう。

退職交渉にかかる期間の目安

退職交渉に要する期間はケースバイケースです。特に問題なく交渉が進めば12回の面談で済み、12週間程度の期間で話がまとまる場合もあるでしょう。しかし、現職で重要なポジションにいる方ほど後任者の選定や退職時期の調整が難しくなります。退職交渉がまとまるまでの面談回数が56回に及び、退職まで12ヶ月かかる可能性もあるのです。

退職交渉が長引けば精神的な負担も交渉に割く労力も大きくなり、強く引き留められると退職の意思が揺らいでしまうこともあります。退職交渉はそう容易に進むものではないことをあらかじめ覚悟のうえで、強い意志を持って臨んでください。

法律で定められている退職に必要な期間

民法第627条によれば、雇用期間を定めず雇用されている人の場合、退職届けを提出してから実際に退職するまでに最低限必要と規定されている期間は2週間です。

転職交渉が順調に進まずこじれてしまった場合は、上記の規定を思い出してください。退職届を提出してから2週間が経過すれば、いつでも正当に退職する権利があることを知っていれば、心理的に余裕を持って交渉に臨めます。

逆にいえば、退職届を提出したからといって必ず即日に退職できるわけではありません。その点にも注意してください。

円満退職のために退職交渉で意識すべき4つのポイント

円満退職につなげるためには、以下の4つのポイントを意識しましょう。

- 1.前向きかつ個人的な退職理由を伝える
- 2.退職意思は直属の上司に直接切り出す
- 3.現職への誠意を見せる
- 4.記録を残す

以下で各ポイントについて解説します。

1.前向きかつ個人的な退職理由を伝える

退職理由として上司に伝える内容は、前向きで個人的なものにしましょう。例えば「キャリアアップできる環境に身を置きたい」など、上司が改善策を出して慰留しにくい理由が最適です。あるいは、家庭の事情など止むを得ないといった理由を伝えるのがよいでしょう。

そのようにして会社側に引き留める材料を与えないようにしてから、これまでお世話になったことへの感謝をしっかりと伝えてください。かつ、退職の意志が固いことを毅然と表明することが大切です。

退職交渉は、現職の会社における最後の重要な仕事といえます。現在の自分になるまで育成してくれた会社だからこそ感謝し、最後までトラブルを起こさずに円満退職できるようにしましょう。

2.退職意思は直属の上司に直接切り出す

退職意思を最初に伝える相手は直属の上司にしましょう。直属の上司を超えて上位役職者などに退職交渉を持ちかけたり、逆に同僚や部下に先に話したりするのはマナーに反します。自分より先に他の人間に退職意思を見せたことで直属の上司の心証を損ねるおそれがあり、その後の退職交渉に悪影響が及ぶかもしれません。

退職交渉はメールよりも、直接向かい合って伝える方が上司の心証は良いでしょう。上司が多忙でなかなか時間を作ってもらえない場合や対面で退職交渉を切り出しにくい場合は、まずメールで退職の意思だけを伝え、改めて面談の機会を作ってくれるように依頼する方法も良いかもしれません。

3.現職への誠意を見せる

円満退社するためには、現職への誠意を見せることも大切です。退職までに「最低限やるべき仕事はしっかりとやる」という意思を明確に示してください。引き継ぎシートなど計画書を作成し、具体的なタイムスケジュールまで伝えて上司を安心させることができれば理想的です。無理なく、余裕を持って引き継ぎできることを伝え、着実に実行してください。

企業とは社員の交代によって長く持続することを想定して運営されています。どれほど貴重な人材であっても、いずれは退職する可能性を織り込み、そのような事態に対応できるものなのです。しかるべき引き継ぎを経た退職は、なんら非難されるべきことではありません。

4.記録を残す

退職交渉の記録は必ず残しておいてください。「いつ、誰と、どこで、どのような話をしたか」のメモを取っておき、かつ、メールのやりとりも漏らさず保存しておきましょう。後から「言った」「言わない」で揉めた場合、証拠になります。

辞表についても、「手渡しだけだと記録が残らないので不安だ」という場合は、手書きの辞表を提出すると同時にメールでも退職意思を伝えるとよいでしょう。万が一社内でメールが削除されても記録が残るようにBCC機能で自分のプライベートのメールアドレスにも送信しておくと安全です。

トラブルを避けるために退職交渉で注意すべき4つのポイント

トラブルを未然に防ぐために注意すべきポイントは以下の4つです。

- 1.転職先・移籍先の情報は伏せる
- 2.現職の職場環境・待遇への批判は控える
- 3.曖昧な態度・言動は避ける
- 4.不明点・疑問がある時は自己判断しない

各ポイントについて以下で解説します。

1.転職先・移籍先の情報は伏せる

退職交渉から退職までの過程において、転職先・移籍先の情報は一切漏らさないのが無難です。特に、転職先が取引先や競合他社の場合、企業間の大きなトラブルにつながる可能性があります。例えば、社員を引き抜かれたことに立腹した社長が転職先に抗議したり、事実無根の情報を流して転職を妨害されたりするなどです。忘年会で親しい同僚に転職先を伝えたところ社長の耳に入り、そこから「退職は認めない」と難色を示されて転職先に迷惑が及ぶケースもあります。

また、転職先の情報を開示しなくても退職・転職手続き上の問題はないため、転職先について現職の会社から聞かれても答える必要はありません。

2.現職の職場環境・待遇への批判は控える

たとえ退職の動機が現職の職場環境や待遇への不満であったとしても、それを退職交渉において口にしたり、現職の会社や職場を批判したりすれば好ましい結果につながりません。

よくあるトラブルのパターンを1つ紹介します。退職交渉で現職の職場環境・待遇への批判を伝えたところ、会社側が改善策を提案して引き留めようとし、退職・転職意思が揺らいだところで改善策が実施されなかったというものです。退職・転職意思が明確なら、現職側に退職を引き留める口実を与えない方がスムーズに交渉が進みます。

3.曖昧な態度・言動は避ける

退職交渉で頻発する失敗例に、「退職意思があるのかどうかが曖昧な態度をとること」があります。絶対に退職するという強い意志を持って交渉に臨まなければ、上司に「引き留めることができるかもしれない」と余計な期待を持たせてしまうのです。それが退職交渉を長引かせる原因となり、自分自身、現職の会社、転職先の会社の全てにとってロスとなります。

4.不明点・疑問がある時は自己判断しない

退職交渉のなかで「競業避止義務」や「秘密保持契約」などの書類にサインを求められるなど、自分に不利となる要求をされるケースがあります。それらの要求には応じる必要がないケースが大半であり、仮にサインしてしまうと、今後の仕事がやりにくくなる可能性があるため、要注意です。その場で自己判断せず、「少し考えさせてください」などと伝えて保留にしておきましょう。それから、転職エージェントの担当者や法律専門家などに相談することが大切です。

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