2022/06/28

市場価値を診断する3つの方法と価値を高め転職に成功するポイント

転職・移籍で成功するためには、自分の市場価値を把握し、向上させる意識を持つことが重要です。本記事では市場価値を診断する3つの方法と、市場価値を高める5つの方法について解説します。これから転職活動を始める方は、ぜひ、参考にしてください。

転職における市場価値とは

転職における「市場価値」とは、「自分自身の経験・スキルがどのような、そしてどれくらいの企業・組織から必要とされるか」という「経験・スキルの評価」です。加えて「経験・スキルがどれくらい希少なものであるか」「経験・スキルに対してどれくらいの報酬が妥当か」という要素も転職における市場価値の基準となります。

市場価値の基準

転職において自分自身の市場価値を決定する要素とは、主に経験・スキルです。スキルには大きく分けて「テクニカルスキル」と「ポータブルスキル」の2種類があります。

「テクニカルスキル」とは特定の業界・職種で必要とされるスキルです。専門性は高いものの汎用性は低いため、市場価値が高いとみなされるケースは原則として同じ業界や職種への転職時に限定されます。

一方、「ポータブルスキル」とは、業種や職種を問わず通用する汎用性の高いスキルです。具体的には、英語力など幅広い業種・職種でも通用する専門的スキル、仕事に積極的に取り組むスキル、コミュニケーションスキルなどを指します。転職における市場価値を向上させるためには、特に、ポータブルスキルを高めていくことが重要です。

企業が求める人材へのニーズは、社会情勢や企業戦略の変化をうけて、絶えず変わり続けるものです。転職活動時に企業のニーズを満たすような経験・スキルを持っていれば、市場価値も上昇するのです。

市場価値を構成する3つの要素

転職における市場価値は「ヒューマンスキル」「テクニカルスキル」「コンセプチュアルスキル」の3つで構成されます。

ヒューマンスキルとは、取引先や顧客、上司や同僚、部下など仕事において関わるすべての人と良好な人間関係を築くために必要なスキルです。特に、チームのまとめ役としてリーダーシップを発揮しなければならないマネジメント層には、ヒューマンスキルが欠かせません。具体的には以下のものを指します。

- コミュニケーションスキル
- ネゴシエーションスキル
- ヒアリングスキル
- コーチングスキル

テクニカルスキルとは業務を行うために必要な専門知識や技術的能力であり、職種によって内容が異なります。営業職ならコミュニケーションスキルやマーケティングスキル、コンサルティングスキルなどです。販売・接客職なら説明力や商品知識、ヒアリングスキルが必要ですし、Webマーケターなら分析スキルや広告運用知識・スキルが求められます。また、中間管理職にもテクニカルスキルが必要です。

コンセプチュアルスキルとは物事の本質を把握する能力であり、概念化能力とも呼ばれます。論理的に思考し言語化できるロジカルシンキングや物事を分析的に考えられるクリティカルシンキングなどはコンセプチュアルスキルの代表です。他にはチャレンジ精神や探究心、柔軟性などもコンセプチュアルスキルと切り離せない関係にあります。PDCAサイクルをスムーズに実行するためにもコンセプチュアルスキルが必要であり、一般社員から経営層まで身に付けることが望ましいでしょう。特に、上位の役職ではコンセプチュアルスキルが求められます。

市場価値の特性

転職における市場価値は需要と供給のバランスによって変化するものです。応募先の企業や業界がどのような経験やスキルを求めているかを把握することが、自分の市場価値を高めることにつながります。

自分自身がより多くの経験を積み、さらにスキルを身に付けて市場価値を高めることが重要です。加えて、「その経験・スキルによって過去にどれだけの付加価値を生み出すことができたか」も、市場価値を判断される際に問われます。また、自身の経験・スキルが変わらない場合であっても、社会情勢や企業戦略の変動によっては市場価値が上がる場合もあります。

自分の市場価値を知ることのメリット

自分の市場価値を知ることの主なメリット2つについて、以下でくわしく解説します。

転職の成功やキャリア形成につながる

自分の市場価値を正しく把握していれば、転職の成功やキャリア形成につながりやすくなります。

自分の市場価値を知らなければ、現職での待遇がそれにふさわしいものかどうかが分かりません。市場価値が高いにもかかわらず、正当な報酬やポジションを与えられないままで働き続けているケースもあります。

より良い待遇や自分のスキルを活かせる職場環境を得るためには、転職も1つの方法です。自分の市場価値を正しく把握すれば転職時に目指すべき年収の目安も分かるため、転職成功や今後のキャリア形成につながります。

自分の市場価値を戦略的に高めやすくなる

自分の市場価値を知ることによって、市場価値をさらに高める戦略が生まれます。現在、保有している経験・スキルは、現職よりも、他社や異業種でもっと高く評価されるかもしれません。その可能性を計る目安としても、自分の市場価値を知っておく必要があります。自分の市場価値はビジネスにおける自分の需要を客観的に理解するための1つの目安になるため、さらなるキャリアアップを目指すためには、必ず知っておかなければなりません。

自分の市場価値を知る3つの方法

自分の市場価値を知る方法としては、オンライン診断ツール、自己分析と職務経歴書の作成、転職エージェントへの相談などがあります。それぞれの方法について以下で解説します。

1.オンライン診断ツールで簡易診断する

インターネット上には市場価値を診断するツールがたくさん提供されています。オンライン診断ツールとして以下の5つが有名です。自分の年齢や職種、経歴や資格などのデータを入力すると自動的に市場価値が診断されます。

- PERSOL「ミイダス」
- type「市場価値診断ツール」
- パソナキャリア「年収診断・年収査定シミュレーション」
- doda「年収査定」
- geechs job「市場価値診断」

ただし、市場価値オンライン診断ツールはあくまで経歴をもとにした簡易診断にすぎません。さらに正確な市場価値を測定するためには、以下で説明するキャリア相談や転職エージェントへの相談がおすすめです。

2.自己分析・職務経歴書の作成を実施する

自分の市場価値を客観視するためには、自己分析やスキル・キャリア経験の棚卸しを行ったうえで職務経歴書を作成する必要があります。自分で実績・経験やスキルを振り返る際は、その実績は「難易度はどのくらいだったか」「相対的にどれほどのものだったか」を定量的・客観的に洗い出しましょう。そうすることによって、その実績・経験やスキルの価値を応募先企業に伝えやすくなります。

例えば、「営業成績トップ」と言うにしても、10人中のトップなのか1,000人中のトップなのかで難易度が異なります。また、10人中のトップだとしても、その成績が業界平均に対して優れていれば、市場価値が高いと言えるでしょう。昇進にしても、「昇進の早さは同期100名中5位以内だった」「昇進当時、社内の課長の平均年齢を5歳下回っていた」などといった実績があればアピールになります。さらに、それらの評価を獲得した具体的な理由も把握しておくことが望ましいでしょう。

ただし、自分1人だけで自己分析や経験・スキル・キャリアの棚卸しをすることは、そう容易ではありません。そのため、キャリア相談や転職エージェントへ相談するのが効果的です。

3.無料で転職エージェントを活用する

転職エージェントとは、転職先の紹介を前提として、転職を検討している方や転職活動中の方を無料でサポートするサービスです。経験豊富な担当エージェントに相談することは自分の市場価値を知るための有効な方法の1つと言えます。

転職エージェントでは、キャリアカウンセラーなどの担当エージェントがアドバイザーとして、求職者が要望する年収・やりがい・市場価値などに基づき、ふさわしい転職先や職種の選別や自己分析のアシストを行います。転職支援を行う担当エージェントは、長年にわたる転職先あっ旋の実績で蓄積したデータを持っていることが強みです。相談者と同じ業界、同じ年齢、同じ役職の人がどれくらいの年収を得ているのかのデータがあるため、的確な年収希望額を提示してくれます。

転職エージェントに登録すれば、その後、さらに企業と面談を進めながら提示される年収によって、より現実的に自分の市場価値を知ることも可能です。この年収金額は、自分の経験・スキルや実績と、市場の相場を基に算出された、客観的な自分の市場価値と言えます。市場価値を測定するツールは巷に数多く存在しますが、企業が慎重に査定した結果である提示金額こそが現実的な市場価値で、この情報は転職を判断する基準として役立つでしょう。

自分の市場価値を高める5つの方法

いざ転職活動を開始するタイミングで困らないようにするためには、日頃から市場価値の向上を心がけておく必要があります。市場価値を高める主な方法は以下の5つです。

- 特定のスキル・知識を磨く
- 多様なスキル・知識を習得する
- 優れた実績を挙げる
- PDCAを意識して仕事に取り組む
- 社会情勢を把握する

それぞれの方法について、以下で解説します。

1.特定のスキル・知識を獲得する

まず、転職市場で価値ある人材となるには、特定の領域のスペシャリストである必要があります。「市場開拓」「人材開発」「プロジェクトマネジメント」など、自分の名刺代わりとなるスキル・知識を確立し、実績を積み重ねることが欠かせません。

2.さまざまな経験を重ねてスキルと知識を蓄積する

これまでに獲得したスキルの棚卸しをしたうえで、今後、さらに伸ばしていきたいスキルや知識を整理し、さまざまな経験を積み重ねていきましょう。加えて、ただ経験するだけでなく必要に応じて勉強や分析を行うといった自己研鑽を積んでいくことも、市場価値の向上において重要です。

3.優れた実績を残す

転職活動の際は、「これまでにどのような実績を残してきたか」を応募先企業へ伝えることによって、採用されて入社した後の貢献をアピールできます。仮に転職を考えているとしても、現職でベストを尽くして優れた実績を作ることは転職活動にも大いに役立つのです。

4.PDCAサイクルを意識して業務効率化に努める

PDCAサイクルとは、仕事において「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(確認)」「Action(改善策の実行)」を順に進め、それを繰り返しながら業務や企画の改善を図ることです。

PDCAサイクルを実践することで作業効率が上昇し、やるべき作業を把握しつつ、課題を発見することもできます。こうして作業効率を高めながら仕事に取り組むことによって、仕事の進め方に関係するポータブルスキルが向上するのです。

5.社会情勢の変化を把握する

社会情勢は常に変動するものです。企業が求める人材も社会情勢と共に変化していきます。それを踏まえて、「今後はどのようなスキルを身に付けることがもっとも市場価値を高めることになるのか」よく検討してから行動に移すとよいでしょう。

例えば、今後10~20年間のうちに多くの人的サービスがAI(人工知能)やロボットに切り替えられるという予測がされています。ファミリーレストランや回転寿司などでのタッチパネルオーダーシステムや、病院などでの自動受付・会計システムなどを思い浮かべてください。AI・ロボット接客が主流になれば、現在ある接客サービスの多くが不要になります。一方で、AIやロボットには不可能な、ハイレベルできめ細かい人的サービスが求められるようになるでしょう。

【サービス紹介】『転機』ではご経験を活かせる新たなキャリアに向けて徹底サポートします

『転機』はハイクラス・エグゼクティブの転職支援専門のスカウトサービスです。ハイクラス層の転職・移籍のサポート経験豊富なコンサルタントが、第一線でご活躍中の方や豊富なご経験をお持ちの方の市場価値を適正に診断し、高い知見やノウハウ、卓越したリーダーシップや推進力を活かせる新たなキャリアを提供いたします。

・経験豊富なコンサルタントによるキャリア支援
・経営幹部ポジションで年収1,000万円以上といった移籍先のご紹介
・移籍先候補企業の経営者と、直接面談が可能

経営幹部などハイクラス層の転職支援実績に富む『転機』では、市場価値の適正判断のみならず、引き留めへの対応やトラブル防止・対処などについても細かいサポートが可能です。

『転機』は優良な非公開案件を多数抱えています。会員様には1人ひとりのキャリアや志向をもとに、ご経験を活かせる新たな移籍先を個別に提案させていただきます。

ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひ、会員登録(無料)なさってください。ご経歴・ご経験に相応しい案件を紹介いたします。

※弊社はすべての方に求人を紹介できるサービスではございません。あしからずご了承ください。
会員登録

会員様のご経歴に応じて、特別案件としてお知らせしております。
※会員登録は無料です。

こちらの記事も読まれています。

機械設計エンジニアの転職でキャリアアップ・年収アップするには?業界事情や平均年収と活躍の要件

機械設計エンジニアは、設計職としての基礎的なスキルに加えて、分野ごとの専門的な知見が求められる特殊な仕事です。そのため、転職する際には転職先でも活躍できる要件を知り、正しく準備しておくことが欠かせません。本記事では、機械設計エンジニアの転職事情や平均年収を紹介し、活躍しやすいエンジニアの特徴やキャリアアップ・収入増につながるポイントを解説します。

海外営業の転職。得られるやりがいや求められる3つの要素とは?

海外営業は、海外市場での販路拡大や販売促進を担当する営業職です。営業のプロフェッショナルとしてのスキルの他、現地への適応力や語学力などが求められますが、新市場を開拓するやりがいや、大きな市場で商品・サービスを展開できる達成感なども得られます。本記事では、海外営業の仕事内容ややりがい・メリットを紹介し、担当者に求められる資質について解説します。 なお、本記事の最後には海外転職でご活躍中の方やご経験がある方が、これまで培ってきた知識やノウハウを活かせる転職・求人案件例を一覧で掲載しております。次のキャリアを模索している方は、ご覧になってはいかがでしょうか。

【事例紹介】転職回数で不利になる?経験を活かして転職に成功する方法

転職回数が多い場合、「今後の転職で不利になるのでは」と心配になることがありますが、実際は人によって異なります。転職を重ねる中でスキルや実績を積み重ねてきた場合は会社側からの評価が高くなるものです。本記事では年代ごとの平均的な転職回数や傾向と、会社側が転職回数を気にする理由を解説。良い転職パターンとそうでないパターン、そして経験を活かして転職に成功するポイントや成功事例を紹介します。

 ここから先は会員のみご利用になれます。

■会員登録がお済みでない方は、下記からご登録ください。

■既に会員の方は、ログインしてください。

退会手続きを行う場合はログインが必要です。

退会手続きを行う場合はログインが必要です。

↑